Musica Argentina Brasileira All Frontiers


by sh2o

Nitin Sawhney "PHILTRE"

a0023718_10234763.jpgNitin Sawhneyの新譜"PHILTRE"="媚薬"。

うずたかく積まれた感情の滓の中から魔術のように一つ一つ糸を引くように差し出される霞。あてどなく彷徨い泣き喚き眠り。目が覚める時にあのときの失われた機会に気付く。
媚薬のように、霞のように、周囲はぼやりとするのに、あそこだけに感じる針のような痛みと快感=Tina GraceとJohn Goldenの声が静かに海辺に流れ着く。Reena Bhardwajの黄金の茶葉の上で踊るようなヴォーカルに陶然とする5曲目"MAUSAM"からまた別の扉が開きだすのをはっきりと感じる。Nitinはそれまで体を麻痺させておいて縛り付けておいて溺れさせておいて、Vikter Duplaxのヴォーカル曲"Journey"で新しいく生まれる体の疼きとうねりを手に入れる。視線と指先が中を彷徨い体と心は分離し始める。Ojose de Brujoとの共演曲"Noches En Vela"で分離した体と心は再び一つとなる。地上に舞い降りた星の塵は砂と風の中で乱れ舞う。汗が体から流れ出る瞬間がわかる。体から汗が零れ落ちる瞬間を感じることができる。
拳を握る手の平に滲む血を只泣きはらし舐めるのはやめる。世界に投げ出された媚薬がNitinの音楽の中で透明な迸りとなって世界に降る。それを体に浴び飲み干した今、今宵の一歩が新しい世界を作る。明晩の出会いが輝く瞳を得る。そう信じることの媚薬。

しかしBlue Note Tokyoでのライブを思い出さずにはいられない。すっごい見うたい!我慢できない!!これもまたNitinという名の媚薬。
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by sh2o | 2005-05-29 10:25 | All Frontiers