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Musica Argentina Brasileira All Frontiers


by sh2o

Zoe Keating "One cello x 16: natoma"

a0023718_2044817.jpgチェロ奏者Zoe Keatingの2ndアルバム。基本的には2004年にリリースされた"One Cello x 16 (EP)"の延長にあるアルバムだ。当然といえば当然だけど。より映像的な、"One Cello x 16"の世界が美しく構築された音楽になっている。映像的という意味ではJoraneのアルバムを少し思い出した。ちなみにZoeもカナダ生まれだ。
重なり繋がりまた重なるチェロの音の中で、だんだんとチェロの姿は消えていく。重なれば重なるほどチェロということは意識から消えていく。うねり飲み込まれ包み込まれそっと置かれる。でも曲の終わりにはしっかりとチェロを抱きかかえているような感触にかられる。響き渡る音というよりも、剥ぎ取られる音というべきか。ささくれを静かに引き抜かれるような、瘡蓋を静かにはがされる様な、ひりひりとする安堵。次第に温かくなる傷跡に、滑らかにチェロのボディを滑ってくる音がやけに心地いい。
急激に打たれるピリオドは、世界を止める悲しみの音。そして動き出すときに、Zoeのチェロは地平線で静かに光る。そっと弾かれる弓のように。
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by sh2o | 2005-10-16 20:07 | All Frontiers