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by sh2o

Tomás Gubitsch 5

a0023718_17501841.jpgアルゼンチン出身のギタリストTomás Gubitschの新作『5』

Tomás GubitschといえばSpinettaのグループInvisibleのギタリストとしてプログレ筋には有名だろうか。その後Rodlfo Mederosのグループに加入し、1977年にPiazzollaのグループのメンバーよして渡仏。Piazzollaのグループ脱退後は、Invisibleからの盟友Osvaldo Calóと行動を共にし、フランスのレーベルIDAよりデュオ作Gubitsch-Calo『Resistiendo a la tormenta』やソロ名義作『Sonata Doméstica』、Tomás Gubitsch Trio『Contra vientos y mareas』をリリース。その後はフランスのトラッドグループMalicorneのリーダーHugues do Coursonと組んでピグミー族の音楽とBachの合体音楽『Lambarena』(その後エジプト音楽とモーツァルトの融合作『Mozart in Egypt』なんてのも有り)や子供への音楽『Song of innocence』などを発表。その合い間に自己名義の通算4作目となるバレー音楽『Sans cesse』をリリース。

この『5』は5作目となるCD&DVDの2枚組アルバムでありキンテートによるアルバムだ。

Tomásのギターソロで幕をあけるCD。ここ数作ではプロデューサー/コンポーザーの役割が主だったので「待ってました」という感触。Tomásのハンマリングの後Osvaldoのピアノと影を踏むように入ってくる。そしてJuanjo Mosaliniのバンドネオンが影に血肉を与えるようにメロディを奏でる。Sébastien CouranjouのヴァイオリンがJuanjoの後に続き感情を備えていく。2曲目まではPablo Ziegler達の演奏のようなピアソラ以後の典型的な印象だがJuanjoのバンドネオンの色彩が鮮烈というか輝いて感じられる出色。4曲目からは徐々にTomás節全開か。Tomásのギターがプログレ魂?を取り戻していく。5曲目など「これはタンゴを演奏するクリムゾン?はたまたYES??」という印象を所々に感じられる個所を散りばめながらOswaldoのピアノは「俺達は俺達」という美麗なピアノで意識を取り戻させる。7曲目は疑うことなくTomásとOswaldoの世界から始まりを告げるとJuanjoの無限の色彩をもつかのようなバンドネオンとRenaud Garcia-Fos似のÉric Chalanのベースが世界に灯りを点す。これは素晴らしい曲。

さてさてCDもいいのだがDVDは更に素晴らしい。ライブとTomásのインタビュー(メイキング?)が収録されている。ライブは2005年8月16日にブエノスアイレスで行われたのもので、Tomásのなんと渡仏以来28年ぶりの凱旋帰国ライブだ。Tomásの興奮と緊張が他のメンバーにも乗りつっているかのようで取り分けJuanjoが硬い。それにしてもTomásの変貌ぶりとそれに対比するようなOswaldoのダンディぶりに驚く!2曲目の”Tango para Mr.Spock”が嬉しい選曲。Tomásのブラックレスポールが唸る~。そっかTomásってMr.Spockに似ている…。しかしこのDVDでの一番の見所はインタビューの間に挟まれるフランス・ナンシーでのライブの演奏だ。これがなんとも素晴らしい。2006年のライブであり、本編のブエノスアイレスでのライブ演奏よりも数段いい。より昇華熟成された冷静さと白熱ぶりのもたらす素晴らしい演奏。それが、ちょっぴ残念…。

Oswaldo、Juanjo、Sebastianは『オルタナティブ・ピアソラ』で来日しており、今度はTomás Gubitsch 5で是非来日を熱望!!!
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by sh2o | 2006-12-17 17:48 | Argentina