Musica Argentina Brasileira All Frontiers


by sh2o

鶴澤清治

a0023718_18445853.jpg『三味線 鶴澤清治の世界 太棹の魅力』

邦楽については、とんと詳しくは無いが、昔から興味はあった。貸レコード屋から借りてきたハードロックやヘヴィメタLPをダビングしたカセットテープの脇に、「小唄・長唄」の廉価カセットテープなんかがあったりもした。もちろんそれは、芥川や永井荷風、泉鏡花の小説に影響された振りをして喜んでいたせいもあっただろう。その後「若手音楽家の挑戦」なる企画コンサートにて田中悠美子の演奏に感ずるものはあったが、「興味」の域をでるものではなかった。
そんな中途半端で意気地の無い「興味」をガツンと打ち壊したのが鶴澤清治の演奏だった。NHKで放送された二つの番組。
「闘う三味線 人間国宝に挑む ~文楽 一期一会の舞台~」
芸の真髄シリーズ第一回「文楽太棹 鶴澤清治」
mixi日記にも書いたが、驚きと共にそのかっこよさに半端な「興味」は打ちのめされた。

そして勇んで入手したこのアルバム。録音年月日は書かれていないが、ジャケットの鶴澤清治の写真を見る限りは相当昔しのもの?(鶴澤清治は1945年生まれだから80年代か?)演奏されている曲に関してはよくわからない。有名な演目の一節らしい。アルバムを手にされている方は解説を参照ください。内容はというと、いいなぁやっぱり。

1~4曲目までは鶴澤清治の独演とツレ弾き。いいんだこれが。弦の振るえる様子、撥で弾かれる姿、指先と弦の擦れる瞬き、声の向かう先。振動、響鳴、沈黙。これこれ!
5、6曲目はコロンビア・オーケストラとの共演。7~11曲目は山屋清とコンテンポラリー・サウンド・オーケストラとの共演。山屋清のことはよく知らないが、調べるとシャープスアンドフラッツのメンバーで、退団後は江利チエミの曲のアレンジ・編曲をしたり、自らのオーケストラを率いての活動もあるようだ。邦楽演奏家との共演も多いようだ。

さて、この山屋清とコンテンポラリー・サウンド・オーケストラとの共演が大問題だ。発売当初は評判芳しくなかったらしい。それはそうでしょう。僕みたいな辺境音楽愛好家が喜んじゃうような内容なんだから。完璧プログレです。どっちかというと鶴澤清治が客演という印象。それほど山屋サウンドが強烈!三味線の音がテレキャスターの音やギブソンシングルコイルの音に聴こえる。サウンドはモロにブリティッシュなビッグバンド(コロシアムにそっくり!『バレンタイン組曲』!!)を想起。三味線とヴィブラフォンとの音が実によく合う。変幻自在な音魔術に驚嘆…それでいて存在感を失わない鶴澤清治の三味線にまた惚れ直す。三味線にワウワウかけてバッキングしたらっこいいだろうな~と妄想。コロシアムの曲というか、ブラスロックの曲って三味線向きなんじゃないだろうか?そうか!Chicago!!"25 or 6 to 4"(「長い夜」)か!!!アイディア盗んじゃ嫌ですよ…といってもテリー・キャスのあのソロは三味線では無理ね…笑。最後に「〆はまかせろ!」と言わんばかりに鶴澤清治がベベン!と決める。勢い潔し!かっこいい!!

さて三味線にブラスロックと書いたが、ケルトにも三味線は合うと思う。フランスにGWENDALというケルトバンドがいるが彼らの曲を三味線でやったらかっこいいんだろうな~と思っている。パンパイプやティンホイッスルの音とも三味線はあいそうだし、なんといってもリバーダンスとの共演なんてどうなんだろう?あの「足捌き」と「撥捌き」の勝負!いかがでしょうか~?

とにかく…
止め処ない妄想を呼ぶ大問題作!
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by sh2o | 2007-08-27 18:45 | 三味線