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Musica Argentina Brasileira All Frontiers


by sh2o

アリエル・アッセルボーン@TOKUZO

9月20日(木)。友人Tannyさんのお薦めでTOKUZOへと足を運んだ。
ギタリスト、シンガー、コンポーザーのアリエル・アッセルボーン(Ariel Asselborn)のライブだ。アリエルのバイオについては彼のHPを参照していただくとして、ライブは非常に興味深いものだった。
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Víctor JaraAriel Ramirezなどのフォルクローレに自作の曲を織り交ぜながら休憩を挟んでの二部構成。流麗なギターとたどたどしい日本語に微笑みがこぼれるが、何といってもアリエルの声に魅了された。確かにギターは素晴らしい。「はちどり」「かえる」などのギターによる小品も聴き応えがあった。しかしそこにアリエルの存在はやや薄い。そこにアリエルでなければならないという感触に欠ける。一方アリエルの声、歌。そこにはアリエルが確かにいる。アリエルという音楽の存在が生き生きと感じられた。
Victor Jara"Angelita Huenuman"Violeta Parra"Gracias a la vida" 、Arile Ramirez"Alfonsina y el mar"Roland Valladares"Bajo el sauce solo"。どれのこの上の無い寂しさ、暖かさ、奥深さ。彼の繊細に震えては高く伸びていく歌の後には、彼の足跡が続いている。僕たちはそれをはっきりと追うことができる。アリエルの風を感じながら。
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アンコールでの「浜辺の歌」。アリエルのギターに合わせて歌う観客のコーラスおばさんたち。彼女たちもきっとアリエルの声に魅了影響されてのことだったのではないだろうか。しかし「浜辺の歌」で終わりなのはいただけない。最後はアリエルの歌で終わってほしかった。
ライブ全般を通じて感じたことだが、なんとなく一本筋の通った緊張感がない。一部終了後、アルエルの美しい奥様が語っていたように緊張しすぎだったのだろうか?確かにチューニングはかなり気にしていたが…そう多くを語ろうとせずとも彼のやさしい気持ち、穏やかな人柄は伝わっていたと思うが…。
また「はちどり」「かえる」などのギターソロの曲など、組曲形式でガァ~と演奏してくれたらまた印象は違って聴こえたのではないだろうか。記憶の中に透き通っていくような彼の歌、それとはまた違うギター演奏。そんなメリハリがあったらより楽しめたのではないかと思うが、それは再びアリエルのライブを聴いてから言うべき事だろう。
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彼の地とは遠い日本にいながらにして、彼方の風景を感じることの出来る稀有な音楽と触れ合える。そんな身近にある貴重な機会を逃すのはもったいない。奈良、神戸、東京ライブツアーはまだ続く。是非気軽に足を運んで欲しい。アリエルの足跡にそっと手を触れたくなるはずだ。
by sh2o | 2007-09-21 19:11 | Argentina