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Musica Argentina Brasileira All Frontiers


by sh2o

Hugo=雨後 

雨が降ればいいのに。
心の中で唱えていたことが叶う夜。

ウルグアイからきたHugo Fattorusoのライブ@Cafe Dufi。

定刻より遅れて入ると演奏は始まっていた。Hugoのソロ演奏だ。
別に品定めする気は毛頭ないし、そんな資格もない。
ただHugoの音楽の心の中への入り具合を確認しながら一歩一歩聴き進む。
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窓際の席。Hugoの演奏と車の音、人の語らいがシンクロする。心地いい流れ。それはこの場所に来るまでの雑念を忘れられるからに違いない。ふと思う。「雨が降ればいいのに」。雨の音が更にHugoの音を世界に響かせる。いや…ひねくれて埋もれてしまった傷跡に溜まる埃を洗い流してくれるかもしれないから。
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小品が続き若干のブレイクの後HugoのMCで始まる曲にハッとする。Fito Paezの曲"Giros"だ。イントロのミスはどうでもいい。心になじむ風が吹いてくるように、見失いかけていたアルゼンチンへの想いを改めて呼び起こされた。じんわりと浮かんでくる涙と一緒に。このメロディこの空気この匂い。もう二度と忘れない忘れたくない。
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正直、Hugo自身の演奏から何かを大きく感じられたかどうかは、今はよくわからない。普通にライブとしてはものすごく楽しく、とくに二部のヤヒロトモヒロとのDuoなんて食い付き齧りとられる魔法のリズムの奔流だ。だがその奔流が僕の心の血の中に渦巻き刻まれることはなかった。それはもちろんHugoのせいではなく僕の気持ちの所在の問題だ。楽しめるということと、血肉にざわめくこととは別のことだ。この日のカンドンベのリズムは僕にとっては借り物にすぎなかった。考えていたことは、カンドンベリズムを三味線撥捌きでどう表現できるか…(笑)
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気づけば外は小雨。なにかが夢のように通り過ぎていく感触。
それは予感でも希望でもない、ただの光の累積。道の途中であることの証拠。

とにかくウルグアイでもブラジルでもなく「アルゼンチン」への愛情が蘇った、
「アルゼンチン」から愛されていることにまた気づかせてくれたくれた夜。

そして、雨の後を歩く。
もうひとつのことを、叶わないことを想いながら。
いや、叶わないのではなく、届かない、出会いの時間を見失う
そんな夜を…


明日は朝から三味線を弾こう。
何のために?
わかっていることを、わからせるために。
何を?

道は続いていることを。
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by sh2o | 2007-11-10 00:04 | All Frontiers