Musica Argentina Brasileira All Frontiers


by sh2o

カテゴリ:Ett( 10 )

a0023718_171698.jpgkei / 高岡大祐ポコペン 3/21(金)

大阪は谷町、空堀商店街の側にあるポコペン。ちなみに「ポコペン」とは缶けり遊びのことのようだ。そういえば「ぽ~こぺん!」とか叫びながら缶けりをしたような記憶がある。
ギャラリー楓の先を曲がるとの指示通りに足を運ぶと確かに路地がある。看板もある。
しかし…石畳の路地を5m進んでは左に曲がり3m入っては右に曲がる…それはまるで時間を遡っているかのようでもあり、暗闇に誘われているかのようでもある。そして行き止まりにあるのがポコペンだ。震災で崩れなかったのが不思議なくらいの古い家屋。築100年とこことだ。築100年?それって明治じゃない??暖かき春の闇の深さ、恐るべしかな。。
扉を開けてポコペンに入る。玄関には本棚が並び漫画、本、雑誌、玩具が並ぶ。正面に階段。その先に12畳くらいの部屋があり、そこが会場?すでに常連さん(お友達?)と思しき数人が談笑している。はて、どうしたものかと立ち尽くしていると、階段下の床の間?の席に案内してもらった。豆球電灯、電気ストーブ、脇息、卓袱台、祖父母の家に遊びに来ているような不思議な気分。梅酒を啜りながら昭和初期の文学全集をパラパラとめくる。ミシミシと抜け落ちそうな階段に恐怖した相方と席を替わってあげる。しかし暗い。だがそれが居心地ことに気づく。
パラパラと人も集まってきた。へ~ぇぇ…。と思っていると、あれ?あの眼鏡の女性はEttのさゆりちゃんじゃない?あれれ~あまりのキュートさに気がつきませんでした…サユリストとしていかんいかん。
さてさて謎の雰囲気の中、ライブは始まる。keiさんはアコギ。高岡さんはバウロンと思しき片面太鼓をチューバの先に擦りつけている。音は電気ストーブの微かな明かりを躍らせる。keiさんがいつものエレキを構える。フレットは自らスキャドロップ加工したそうな。ちなみにベトナムのギターはすべてフレットがスキャドロップ仕様になっているそうな…ふ~ん…。keiさんのギターの音が高岡さんおチューバの中で響いているかのようだ。この会場のせいなのか今までにない音の響きを感じる。
休憩後、お互いのソロ演奏。keiさんはアコギ。右手にパチカを持ちながらの演奏。パチカが時折ギターのボディに当たる音がなかなかいい効果。高岡さんは"Pliceman is crazy"なる曲を演奏&歌う。チューバを吹きながら歌うというホーミーのような荒業が面白い。
会場を出ると来る時に感じた闇が微妙に明るくなっているように感じたのが築100年積み重なった時の塵の暖かさのせいか。音も100年の塵とともにまた沈み舞い散り、今日へと続の路地へと帰っていく我々の足跡となったに違いない。
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by sh2o | 2008-03-24 23:22 | Ett
さ~てアンコールの時間!

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さゆりさん、緑のブラウスで登場!!これが似合っているの☆
さてさて、歌うは2nd『テンカラ』から「柳の手」。久しぶりに聴いた。涙。。。

一旦あっさり退場の後、マッテマシタの2回目のアンコール!
WOW!さゆりさんは大仏、Keiさんは牛のかぶりもので登場だ。
なんじゃこりゃ?笑。
牛の被り物うぃ脱ぎ捨てるKeiさん。
お!かっくええ!!髪型、落ち武者になってる。
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さぁ、二人ともエレキギターを構え、演奏唄は「六月、七月、八月、九月(緑)」だぁ!
きゃ~これも聴けるの?う・れ・し・い・ぃ!!!
「そ~んなこと どうだって いぃんぅんじゃなぁいぃ~♪」の合唱です。みんな声小さいよ。。。
Keiさんのエレキが暴れだす。さゆりさんのギターがしっかりついて来る。おぅおぉ~素直にかっこいい。
実は開店前に並んでいるときにリハの音が漏れて聴こえてきて、その時エレキの音が聴こえてきたんだ。
いつがエレキの出番か?と思っていたらここだったのね!も~最高!!!
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さゆりさんの意外に重いリフをバックに、Keiさん弓を取り出す。
Yes!That's Jimmy Page!決まってるぜ。
Keiさん曰く「一度やってみたかった」とのこと(笑)。
ブュィイ~ンと唸るぜしなるぜ。
Keiさん、弓で会場を指す。おぉ!もしかして僕のこと指してます?な~んて嬉しかったな。
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さぁさぁさぁ!ギターバトルで今宵のレコ発の宴もお仕舞いだせぃ!
でもでもでもでも…
あ~短いもっともっと聴きたいよ。こんなに爽やかに温まる散歩のようなライブ聴いたこと無い見たこと無い。
大満足だけど、大欲求不満になってしまった。

また行かねば。

そう心に刻まれる。

愛する日本一のボーカリストのために。
土壁のような土間のたたきのような味わいのギタリストのために。


そして帰路に思う。
『無茶の茶』って本当にいいアルバムだ。
彼らの差し出す一服が、心の振幅とぴったり合う。


いつまでも続く旅の間奏、それが僕にとってのEtt。
そこで味わう無境(或いは夢境)の一服が『無茶の茶』。

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by sh2o | 2007-02-12 12:28 | Ett
さゆりさんお色直しで第二部のスタート!いいな~どうなってるんだろうこの服。むふふ。
KeiさんのIggy PopのRock-赤Tは当然そのままです…。そういえば前も着てましたね。。

a0023718_1218246.jpg第二部は「誰」でスタート。この曲大好き。3rdアルバム『無茶の茶』を代表する曲じゃないかな。間奏部分から後半が実に味わい深く夢見心地。安眠枕で賽の河原をドライブしている感じだ。

「七人の侍ごっこ」(大笑)を導入にして?「ある店主の唄」。この曲は喫茶アミーゴのさぼりマスターだったKeiさんを歌った唄とのこと。さゆりワールドのほんの一部が全開された曲。素晴らしい。この曲がライブで聴けるなんて幸せ。こういう日常串刺しアワンギャルドさもEttの魅力だもんね。どう曲が終わるのか、さゆりさんとKeiさんの駆け引き?が面白かった。

さゆりワールドの後は青柳努ワールドへようこそ!な2曲。「おいおい」「おいおいおいおい」な掛け声がいいね。笑って唄って楽しい、これはライブで聴かなきゃ!な曲。
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Ettって西本さゆりな世界を、Keiが無銭or無線旅行している感じかな~なんって思ったりして。

さぁ~そして「楽しや汽車の旅」!この曲をライブで聴くのがまさに「楽しや~」だった!やっぱりコール&レスポンスなのね~。もっと盛り上りたかったな…。駅アナウンスも再現!駅名が「TOKUZO」になっている!!これあっちこっちの会場で駅名が変わるんだろうな。、楽しそう。赤系照明と紅白幕をバックに映えるさゆりさんの白いブラウスとピアニカ。かっこよし~!これは座って聴いていたのじゃもったいなかった。
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盛り上った後の下り方面行き。さゆりさんの好きな越路吹雪の「Try to Remember」。これがよかった!あ~もっとさゆりさんに愛の歌を唄ってほしいな。平凡でも異常でも異性でも異星の愛でもいいです。胸にお腹に組まれたさゆりさんの手にグっときちゃう。会場では涙ぐむ嗚咽が聞こえたような聞こえなかったような。

「Try to Remember」に続いて更にしんみりと「最後の唄」。スローな曲でのさゆりさんの声ってどんどん太く強くはっきり繊細に、遠くの海鳴りの様なそれでいてかすかな鳥の声の様な、そんな声になっていっているような気がする。

a0023718_12211352.jpgそして第二部の〆は「山のてっぺん」!
山のてっぺんのドッペルゲンガーのごとく、さゆるさんの十字架飛翔ポーズで終了!!これがかっこよくて病み付きになるのです!!!

いや~いい、本当にいい。
『無茶の茶』に滲み出している雰囲気、
のんびり ゆっくり
しんみり ほのぼの 
心地よくて楽しくて
でもどこかで隙間風が身にしみる。
そんな風景がステージから溢れ出してくる。

さぁさぁ!次はアンコールだよ!!!
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by sh2o | 2007-02-12 12:21 | Ett
a0023718_1182572.jpg2/5@TOKUZO
Ett『無茶の茶』レコ発ライブ!


並んだ。久しぶりに。

Ett 2ndレコ発ライブがものすごい混雑だったので、ちょっと心配だったせいもある。それでも、こんなに間近で見たい聴きたいと思ったのは、モーションブルーへAndre Mehmariを聴きに行って以来の事だろうか。しかし一番に入場とは些か恥ずかしい。当然、さゆりちゃんの目の前に陣取った。これも些か恥ずかしいが思い切って実行!Keiさんにもさゆりさんにも「早いですね…」と声を掛けられる(笑)。

さてさて、舞台前には「ようこそ」の文字(喫茶アミーゴMさん書?)。いつもどおりにKeiさんが何気~に登場。そしてさゆりさんも!おぉ!!パンツルック。いつもと感じが違う。「ようこそ」の文字をめくり「第一部」へ。

いきなり「歯磨きの唄」からレコ発ライブがスタート!え~いきなり「歯磨きの唄」から始めるの?とすごく意外な選曲。客席も戸惑っている感じだった?でもやっぱり面白い曲。さゆりさん自分の喉も客席の反応も「試している」って感じだ。フゥガフゥガプゥガプゥガとピアニカが楽しい。
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お洒落orお茶麗Girlさゆりの秘密が明かされた後、「維摩の一黙」。この曲、最初はあまり好きじゃなかったのだけれども、ライブで聴くとすごくいい。Keiさんのヴォーカルとギターがすんごく曲そのものという具合にマッチしているから。この曲でのKeiさんの左手がとくにかっこいい。

「ほちほちと歩く」でさゆりさんの声も調子でてきたかな。震える感じが無くなって、すっきりと声に張りが出てきた感じ。

井上ひさしの詩による曲「なのだソング」の後「柿の実」。この曲はEttの名曲。透明な寂しさがガラス玉のように暖かい光をうっすらと浮かべている、そんな印象の曲。

そして「雨男」。この曲は2ndのレコ発ライブでのさゆりさんのピアノによる演奏が素晴らしすぎて…でも今回のライブでのあっさりバージョンでも、その大空から落ちてくる一滴の雫のような凝縮された美しさは変わらない。

おセンチな中年向け?の「さよなら小径」に涙。そして「空っぽの朝一番」で第一部の終了。「空っぽ」もいい曲だな。『無茶の茶』は本当にいい曲、楽しい演奏ばかり。それがライブでも!との幸せ実感な第一部だった。
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by sh2o | 2007-02-12 10:39 | Ett

Ett 『無茶の茶』

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Ettの新譜『無茶の茶』のCDをいち早く聴かせていただいたが、これが実に楽しい60分!前作『テンカラ』が一枚のアルバム・作品として練り上げられたものなら、『無茶の茶』は二人の日常を、禅画のように水墨画のようにシンプルに、或いは道端の落書のような。そんな行きずりの生命感と微笑を探すような楽しさ満載。禅寺坊主が首振りベリーダンスで尼僧と鬼ごっこ!?

叙情と旅情と日常とが溶け合っているような「表Ett」的な曲。例えば「空っぽの朝一番」「維摩の一黙」「草枕」
1/24のライブでこれらの「表Ett」の曲たちを聴いた。Keiの土壁のようなあっさり零れる土くれと、しなり跳ね返り折れる竹のように、確かに痕跡を残すギター。夢で聴いた風の音、鳥の声、生活の喧騒が正夢になってそこにあるような独特の存在感の西本さゆりの声。それはもう誰もいない日本家屋の庭に佇んでいるような不思議な居心地のよさ。

愛情と無常と非日常がかすんでいるような「裏Ett」な曲。例えば「ある店主の唄」「ムーディー・ストゥーディオ」「無頼の免許書」。これらが実にいい。日常に染み出す悪意や悪戯や悪寒を隠すわけも無く、快食快眠快便快楽を自由にするわけでもない。本当に自然なんだ。それに「六月、七月、八月、九月(緑)」のやっちゃった中近東風味が絶妙にクレイジーブルージー!(AREAの曲の続編なの?笑)

それらが混沌するわけでも、陳列されているわけでもない。
そして「表Ett」と「裏Ett」の狭間にある「楽しや汽車の旅」「歯磨きの唄」で諧謔の階段を逆上がり。
さらに名曲「雨男」。これは、さゆり子守唄バージョンか。ミニアルバム収録の「雨男」のほうが実に色気たっぷりだ。多分ミニアルバムのほうは本当に雨の日に録音したのだろう。

Ettは、「俳句PoPs」と呼ばれたりするが、それはただ単に響き美しい日本語で歌っている、ということだけでなく、聴くたびに同じ言葉と同じメロディーでもその日の天気や気分によって表情がその都度違って聴こえるから。
『無茶の茶』は、そんなEttの俳句PoPsの新たなる境地、或いは到達点から見下ろす新たなる光景といえるだろう。三徳山三仏寺のお堂からみる景色に似ている気がする。


素っ気無さは、素っ頓狂さ
さりげなさは、頼りなげ
吠えるか 微笑むかは 
ほら吹きの 方向次第


初回プレスは茶袋パッケージの特殊仕様。
みんなこれで楽しもう!
2/5(月)発売!!!
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by sh2o | 2007-01-27 09:40 | Ett
NUUさんを聴くのは本当に初めて。 どんな声、どんな音楽なんだろうと興味津々。。。
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正直、前半は僕の好きな音楽、声では無いと思った。 笹子重治さんの、Keiさんとは全く違った、まるで伊勢神宮でみた巨木のような存在感のある音塊に圧倒されていた。NUUさん完全に負けてるよって。ちょっと笹子さんのギターとは合わないのでは?そんな風に感じた。

でも後半。
美空ひばりについてのMCから始まった曲「うためうた(唄女唄)」NUUさんの本当の魅力を感じた。悲しくて寂しくて嬉しくて泣きそうで微笑むNUU。都会的なHAPPY LIFE、High EmotionalじゃないNUU。そして「あかり」「123456789十」も楽しかった。

「うためうた」という曲に出会えたこと。 本当に素晴らしい出会いだった。

そして、大円団。
Ett NUUによる1曲。エノケンの「洒落男」! ここでも、さゆりさん、やっぱり最高~。
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さゆりさんの声は、手ぬぐいをしぼる時の感触。
温かさと冷たさ
手の力と水の柔らかさ。
大好きです。
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by sh2o | 2007-01-26 11:16 | Ett
Ettのライブは久しぶり。
発売前新譜『無茶の茶』を一足先に聴かせていただいており、また2/5のレコ発ライブも控えていることから、今日のライブは絶好の予習とばかりに、否が応でも期待で胸が高鳴る。TOKUZOの入り口でKeiさんに会っただけで嬉しくなった。

季節メニューのアボカド料理がなかったのが悲しかったが、海老とアンチョビのクリームパスタが美味かったのでよしとする。
7時過ぎには椅子席はほぼ満席。となりのテーブルではワイン2本目ものみ干す勢い…。Keiさんが幕間からちらちらと様子を伺うのが見える。そうこうしていると、Keiさんがステージにふらっと現れ、さゆりさんがひょこっと立ち止まっている。そして始まったEttのライブ。
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草枕
ヤマのてっぺん
維摩の一黙
ほちほちと歩く
柿の実
空っぽの朝一番
最後の唄
(曲順忘れた…)
そして「風に吹かれて」の日本語詩カバー。
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Keiさんのギターがいい。
湿った土。乾いた土。温かい土。土煙。土くれ。 そう、土くれという感じだ。土塀の土。これもそう。 自然とそこにあり、舐めてみても美味いかも。そんな音。
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さゆりさん、やっぱりいい。
僕が日本で一番好きな声。ありそうでないようで、ないようで側にいる、そんな声。
いいな~大好き。
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「柿の実」 「空っぽの朝一番」「最後の唄」。よかったな。さゆりさんの声が、すっぱくて、からくて、甘くて、しょっぱくて。伸びる声が空に届くと ひっくりかえって地面からいたずらっぽく下半身を抓る。そんな笑いと色気と満点星の風来坊。
「維摩の一黙」でのKeiさんの歌も素敵だ。土くれに染み込む水のように、黒く黒々と、茶に染み染みと。吸い込まれて指先からまた零れていく土くれ。

表Ett」とでもいうべき、旅情たっぷりの日常あふれる、永くて短いひと時の歌。万感満喫。でも愛情無常狭間にある非日常な「裏Ett」な曲が聴けなかった。それは2/5のお楽しみかしら?

Ettは日本の宝だよ!
早く2/5がこないかな!!
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by sh2o | 2007-01-26 10:45 | Ett

The Ten Oxherding Pictures

a0023718_15385889.jpgFernando Kabusacki, Kei, Marron and Yoshitake EXPE
"The Ten Oxherding Pictures"

Fernando Kabusackiの最高作。間違いない。そしてKeiの荒ぶる雫となるギターの音を世界に示す1枚。
2004年11月にKabisackiとKeiそしてMarronのライブを名古屋のCanolfanで聴いた。正直それまでのKabusackiのどのアルバムよりもJuana Molinaとのライブよりも断然気にいった。その世界がYoshitake EXPEそしてStudio Zenの力をかりて更に秘められた色彩と光を感じられる音楽になっている。一つの世界を発見した驚きがここにはある。ギタリスト4人の世界、というよりも世界への扉が4つある。このアルバムはあなたの心の鍵になる。扉は開かれている。でも鍵はいるんだ。あなたの心に差し込むために。

新たな世界への入り口は狭い。しかし閉ざされてはいない。

4人の創造する音楽は、果てしない霞を食らう牛の胃袋か。
煌く音、簒奪する音、齧りとる音、彷徨う音、沈む音。
白に重なる黒が朱の霞をもたらす。
破瓜する音、放つ音、黙する音、訪れる音、開かれる音。
4人の創造する音は、竹林で慰められたような出会い。
体が自由に倒れる。起き上がり方がわからない。いつかどこでもない場所に倒れているんだから。
目の前に置かれた蹄。木の上から見下ろす失われた画。
悪意を解き放つ、純真な心。

牛のゲップが世界を滅ぼす。そんな俗説が頭を掠める。
十牛図。
霞を食らう牛に乗って、世界は訪れる。

見える聴こえる触れる。
それよりも世界はあなたを包む。
そう。
世界はいつもここにある。
朱色に隠された白の輝きの中に。
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by sh2o | 2005-10-15 15:37 | Ett

Ett@TOKUZO

2/12 得三Ettのレコ発ライブ!

事前に席の確保が難しいとの情報を得て6時過ぎへ得三へと行く。
「mixiの前売りで」と符牒のような響きにちょっと快感…さすがに客席はまだまだまばらだがステージ一杯のセットがこれからの興奮を予感させる。焼酎ロックを片手に客席へ。次々に入ってくる客。振り向くといつしか立ち見でいっぱい!大正風のお着物姿の女性もチラホラ。Ett"テンカラ"のジャケにあわせての粋な装い。開演時間の7時をまわる。も~場内熱気でムンムン。

そしてAC/DCロックT姿のKei、続いて西本さゆりの登場。1部:デュオ、2部:カタリカタリ、3部:Ettバンドお3部構成との固いトークの後「柳の手」でライブは始まる。「蓮の花びらは未だ泥の中」。そうこれから咲きはじめるEttのライブの幕開けにピッタリ。カブサッキで見たときのKeiって髪の毛ボサボサの危ない人って雰囲気だったけど今日はまったく違う。たんたんと続く今日の中、西本さゆりの声だけが塊となって肌に舞い降りる。びりびりと震える声。彼女の声は彼女の骨すべてから響いて喉から流れ出る雲のよう。雨を降らし、雹を落とし、陽を遮り顔を出させる。Keiのギターは馬車に乗って揺れながら感じる路面のよう。ガタガタカタカタとリズミカルに不意打ちのうに、何時も其処についてくる素敵な伴奏であり、自由でかけがえのない存在感。「ホホホイっと」という感じで一部はあっけなく終了。

2部はカタリカタリ。西本さゆりの一番のお気に入りのバンドとのこと。はじめて聴く。河合の朴訥とした低音の声に長瀬の緩やかな高音。ウッドベース、カホン、クラリネット。素朴な中に密やかな笑いが浮かんでくる音楽。1曲でKeiとさゆりが参加。マンモス云々という歌がよかった。メンバーはもう一人いるとのこと。アコーディオンとか入ると面白いんじゃないかな。カホンもループさせながら演奏するともっと自由な展開がでるかな?とも。もうちょっと踏み込めなかった。酒とつまみが必要だったかな?

で、待ちに待った第3部Ettバンドの登場!全員「テンカラ」のイメージにあわせて着物、着流し姿だ。あ、あれが河西さんか~と感慨。
「入り江の鳥」でのさゆりのスキャットはもう大きな雲の中で風と太陽と雨の奔流の中に身を任せているよなどうしようもない愉楽を感じる。「太陽」でのさゆりの話しは思わず納得。この曲地味だけどすごくいい曲。「無理やりやったらこわれてしまう~」大好き。そして「海猫」「イネムリオヨギ」「雨男」の三連弾!自在に紆余曲折しながら陽だまりを探すようにツボにはまるKeiの335のギターワーク。ソロはKeiいうところの「ヒレッジ」風か?いやいやオズリック・テンタクルズに聴こえたよ!ドラムス、ベースとの絡みはドイツのプログレバンドNekterみたい!かっこいいいいいぃぃ!!いや~もう快感快感。このときほどギュウギュウ詰めの客席をのろったことはない。あ~踊りたかったよ!しかし「雨男」は実に素晴らしい。AFFINITYかと思っちゃた。そういえばさゆりのヴォーカルってAFFINITYのヴォーカルLinda Hoyleにどこか似ていると思った。そうだEttにハモンドオルガン!これどうでしょう?「ヨレヨレ楽団」でまずは大円団。
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バンドではパーカッションの林敬子がとてもよかった。彼女なしにはこのステージはありえなかっただろう。今ひとつリズム隊のノリが不十分に感じた。暴れるスペースが窮屈だったかな?

そしてアンコール。「All you need」。全員参加型の曲?ナハハハ!もう笑って一緒に歌うしかない。約1名のかくし芸も温泉旅館ぴったりのズッコケ加減で疲れた笑いがじんわり心地いい。2回目のアンコール。最後も「柳の手」。泥の中から、静かに大きく静かに澄んだ蓮の花が開く。池を漂い川を流れ海を夢見て、心の中に鎮まり沈んでいく音とともに、また泥の中へと眠る。ぼく達の夢の中に大きく澄んだ蓮の形の雲を残して。さゆりの声がKeiのギターがいつまでの陽の光のように差し込む。。。
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熱気から逃れるように得三の外へとでる。放心した表情と会話、絡まり頷きあうような視線。上気した空気が店のドアから皆の体から夜の空へ解き放たれていく。Ettの音楽が身から離れていくようでいとおしむ様に空を見つめる。でも知っている。足がリズムを踏むのを。歌がこぼれてくるのが。「さあゆこう高い空に」。Ettはもう当たり前のように夜も朝も高い空に浮かぶ雲。「流れる雲はゆっくりたかく…離れてもここにいる」。
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by sh2o | 2005-02-13 14:20 | Ett

Ett “テンカラ“

a0023718_23191631.jpgボーカルの西本さゆりとギターのKeiを中心に名古屋を拠点に活動するユニットEttのセカンドアルバム。
フェルナンド・カブサッキが昨年の来日時にKeiと共演し(素晴らしかった!)その勢いでEttのステージにも参加。残念ながらそのステージは見る事ができなかったが、その話しはEttというバンド名を記憶に刻んだ。そしてなんやかんやでようやく手にし耳にしたのがこのアルバムだ。
ギターとヴォーカルによる素朴なあじわいや、ひらがなカタカナの響きの美しい日本語による歌詞は、最近のNHK「みんなの歌」のシュールで懐かしい光景に似ている。大貫妙子、ふちがみとふなと、京都町内会バンドのイメージに似ている。しかし驚きはまだまだ続く。9曲目のイネムリオヨギが最高!これはブリティッシュプログレ?ジェネシス?イエス??というメロディーとアレンジ。いやいやそこもでの大仰さはないが、魅力的なメロディーにシンプルでシャープに命をかけたようなエレキギターとドラムス。さゆりのスキャットは悪戯好きのつむじ風のように駆け回る。東京事変の「遭難」を聴いたときのショックと同等。ただ単純に「いい曲~!」という素直な感想がこの上なくうれしい!そう、これはテンカラ全曲に言えることだ。
そして西本さゆりという雲と太陽が擦れあったヴォーカリストに出会えたことはとっても大きな喜びだ。早く彼らのライブが見たい。西本さゆりの声に触れたい。あ~早く~!!!
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by sh2o | 2005-01-31 23:20 | Ett