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by sh2o

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『一の糸』

a0023718_17215715.jpg有吉佐和子『一の糸』読了。
「一の糸」「撥さばき」「音締(ねじめ)」の三章構成。文楽太棹三味線奏者の露沢清太郎(後に徳兵衛)に、そして彼の出す音に恋焦がれる茜の物語。
茜の一途に恋焦がれる女性の気持ちに驚きながらも引き込まれていくが、やはりなんといっても露沢清太郎(徳兵衛)の三味線に心惹かれる。「一の糸」で語られる露沢清太郎の三味線の描写が、主人公の茜にとってだけでなく、読んでいる自分にとってもあまりに鮮烈で、涙がでてきた。
大夫の調子も自然と思い出されて、読んでいてなんとなく一緒に語ってしまう。あぁ…恐ろしき芸の深さ。こんな素人にも強く影響してしまうとは。

一番印象に残ったのは、やはり三味線弾き露沢徳兵衛の言葉だ。
「三の糸が切れたら、二の糸で代って弾ける。二の糸が切れても一の糸で二の糸を出せば出せる。そやけども、一の糸が切れた時には、三味線弾きは、その場で舌噛んで死ななならんのや」
なんちゅう怖ろしい世界。それほどまで露沢徳兵衛の一の糸の音は鮮烈だ。もちろん聴こえるわけではない。しかし確かに一の糸の震えが伝わってくる。これまた何という怖ろしい小説。
そしてなんという怖ろしい文楽の「魔」。
茜も小説中で語っている。文楽では「間」が一番大切だが、「間」とは「魔」ではないだろうかと。
「魔」違いない。。。
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by sh2o | 2008-06-30 17:23 | 三味線

Jorane "Vers à soi"

a0023718_125817.jpgカナダのフランス語圏ケベック州のミュージシャンJoraneの通算7枚目のアルバム"Vers à soi"Official HPではLive盤が載ってないけど契約の問題?)。発売は2007年10月だったが、ようやっと入手(忘れていた…)。
久しぶりに聴くJorane。やっぱいいな~。聴いた瞬間「Jorane」でしかないJoraneの音楽。今回はチェロは控えめに、鍵盤類を多彩に活用。グロッケンスピール、 Wurlitzerそして何とMOOG Taurus!むむむ…やはりJoraneはプログレでしたか。
内容はより陰影が濃くなっている印象。でも以前はアルバムの中に散漫な印象を感じる曲があったもだが近作はアルバムとしてキッチリかたまっている感じが強い。
ダウンロードのみだったプロジェクト作品もそうだったがなにやら「森」を連想させるような暗さが漂っている。しかしそれは禍々しいというのではなく、影のような存在の暗さだ。出産を経て情念がより増したのか?魔力が強力にレベルアップした、そんな印象すら与える。

やはり生でもう一度味わいたいなぁ。
Jorane in JAPAN再び!!!
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by sh2o | 2008-06-17 12:06 | Jorane