Musica Argentina Brasileira All Frontiers


by sh2o
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SanFranciscoのSSW、Odessa Chenの2ndアルバム"The Ballad of Paper Ships"
1stアルバム"One Room Palace"も繊細な好作だったが、ただ単に素敵な才能を感じさせる雰囲気いっぱいの短編集から、一つの短編としてそれぞれの完成度が格段に高くなっている。
たんたんと静かに、それでいて何かしら劇的な変化を催しているような感覚は、寝そべって空の雲が変成し流れていくのを見ているかのようであり、水辺で刻々と変化する水の流れを見つめているかのようでもある。光と風の織り成す光景をシンプルに語ろうとする試み。「泥の船」ではなく、「紙の船」で繊細に軽やかに光景と風景を渡っていく。それでも紙の船は風雨にしおれていく儚さ。その儚さを見つめ語る短編集。
OdessaのSF人脈Nels Cline参加の2曲目の出来が抜群だ。月光に照らされた繊細な迷路のようなギターとヴォーカルとの絡みは、Trespassers William "Different Stars"の最良な部分を想起させる。
Odessaのアルペジオの航跡のごとく、泡だって消えていくギターのノイズ音。
ヴォーカルは紙の船の行先を告げる風の音。
風景と光景が目の前を通り過ぎていく。
この"The Ballad of Paper Ships"を残して。。。
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# by sh2o | 2007-08-06 18:05 | All Frontiers
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Claudio Dauelsbergと4人の女性。
Claudia Castelo Branco
Késia Decoté
Gisele Sant’Ana
Jadna Zimmermann

そして1台のPiano
5人10本の手でピアノを玩んで楽しんじゃおうというプロジェクトPianOrquestra
叩く弾く摘む擦る摩る撫でる
もちろん様々な道具使いも有り!
ピアノ版Barbatuquesって感じ。これは実際に映像見てもらうほかないでしょ~!!
Milton Nascimento"Cravo e Canela "。これはすごかった。この1曲で万歳三唱。

メンバーもそれぞれの活動も気になるが、中でもClaudia Castelo Brancoは、Egberto Gismontiの娘Bianca GismontiDuoGisBrancoを結成活動している!

多分いろんな国で同じようなプロジェクトが流行るかもしれないけど、
この切れと勢いはブラジルならでは!
日本だと多分ベタベタになっちゃうんだろうな…

是非生でみたい!!!
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# by sh2o | 2007-08-03 00:00 | Brasileira

Cecilia Zabala "AGUARIBAY"

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Cecilia Zabalaを初めて知ったのは、CeciliaとクラリネットのEmiio Albarezとのデュオalvarezabalaのアルバム"Halo de luz"だった。そこでもCeciliaはギターとともに魅力的な歌声を披露していたが、ソロデビュー作となる本作"AGUARIBAY"

Nora Sarmoriaを最初に聴いたときに感じたような浮遊感?いいやそれだけじゃないMarta Gomezのような女"性"を感じさせる歌声。もうこの1曲目"Maravilla"だけでまずはメロメロ。そうMarta Gomezのようにたおやかな歌声。そうそうCecilia一人でQuique SinesiMarta Gomezのデュオを歌い演奏している?いや今思いついた!InteroceanicoでのAlejandra Ortizの透明に揺れ翔る感覚ににそっくりだ!!!

alavarezabalaでは自作曲のみだったが、本作ではCeciliaの自作ほか、クチ・レギザモン、ユパンキそしてAca Seca TrioJuan Quinteroの曲も1曲とりあげている。
1曲目の"Maravilla"から2曲目のレギザモンの"Si llega a ser tucumana"、そしてSilvia IriondoQuique Sinesi参加のアルバムタイトル曲"Aguaribay"、4曲目はJuan Quinteroによる"A Pique"。この流れで完璧にノックアウト!"Aguaribay"でのCeciliaSilvia Iriondoのデュエットは母娘のようで、それを無言で語り継ぐかのようなQuique Sinesiのギターソロの美しさと。それは蝋燭の灯ったテーブルに並ぶ温かなスープのような夢心地。うっとり…。この"Aguaribay"はボーナストラックとしてヴィデオ映像も入っているが、そちらはCeciliaの弾き語りヴァージョン。これが最高。。一本の木になったようなだ。泊まり啄ばみ飛び立つ鳥の鳴き声、光と風の物語、そしてきっと鳥に運ばれるのだろう遠く旅立つ種の夢。泣いちゃった。この曲はきっとこれからいろんな人に歌い継がれていくのだろう、そんな予感を感じさせる名曲。

Ceciliaの声とギターの両者のバランスがいい。歌いこまず弾きこまず、それでいてどちらもサラリと流れていくわけでもない。Juan Faluも参加したJulio Espinozaの曲"Vidala para mi sombra"から、次の自作ギター曲の"Tango~incertidumbre"、そしてユパンキの"Los ejes de mi carreta"とこの辺りは、CeciliaGuitarras del Mundoにも出場したさすがの腕前を堪能できる。そして11曲目の"Hermano"には、彼女の才能の奥深さ、果てしなさが詰まっている。なんという叙情、なんという愛情。 なんといったらいいのかアルバム1枚の作品として非常に完成度が高い。それ程のプロダクションもCecilia一人が行っているのだから驚きだ。

つくられたものではない、あるべくしてこの世で触れることのできる感動。
そして、それに今、出会うことのできた喜び。

こんな音楽があるんだと、個人的体験抜きに涙の出た1枚。
「名盤」なんて言葉もいらない。
ただ一生聴き続けるだろう、
"AGUARIBAY"
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# by sh2o | 2007-07-30 17:59 | Argentina
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ブラジルの「良心」Mônica Salmasoの通算5作目のアルバム"Noites De Gala, Samba Na Rua"がついにというかやっとお目見え。バックの演奏陣にPau Brasilを迎えてのChico Buarque集だ!Chico Buarqueというとそのインテリジェントなイメージから「ちょっと後でいいかな…」と引いてしまう向きの人も多いかと思うが(かく言う自分も)、そんな人にはぴったりのアルバムだ!

レーベルをBiscoito Finoに移動した前作"iaia "が個人的にはイマイチしっくりこなかった。Paulo Bellinatiのギターを筆頭にサンパウロ、リオのTOPミュージシャン達の演奏も引っ掛かってくるものは少なく、肝心のMônicaの声もBiscoito Finoの作品に時折感じられる「品行方正優等生」的なオブラートに包みこまれてしまい残念な印象だった。本作もBiscoito Finoからのリリースだったので実はあまり期待していなかった…。

ところが!これが大きな間違い。まずはバックの演奏陣が最高!「Pau Brasil!」と叫んでみても、メンバーであるPaulo BellinatiRodolfo StroeterTeco Cardosoも前作にもそれ以前の作品にも参加している。ところがこれがやはりパーマネントなメンバーというか、数十年の長きに渡って積み上げてきた成果なのだろう。お互い意識することなく、まるで星雲のように煌きを帯びた巨大でありながら密度の濃い空間を築き上げている。そんな空間を自在に泳ぐMônicaの声。いやいや、そうではなくPau Brasilという星雲も、彼女の息吹という宇宙の中で生じたものだ。これこそ待ち望んでいたMônica Salmasoの世界なのだ。

Mônica変わったな~、というか一皮剥けた。やはり元新聞記者だけあってChico Buarqueというインテリジェンスと相性がよかったのだろうか。今までも1曲1曲に於いて、その温かい美声に包まれうっとりすることはあったが、本作ではアルバム1枚を聴き終えてその世界観に圧倒される思いだ。至上の名曲"Beatriz"にはもう涙涙。

クレジットをよく見るとマスタリングにJan Erik Kongshaugの名前がある。そう、ECMレーベルの諸作品で名前の知れ渡っているノルウェーはオスロにあるRainobow Studioの主だ。もともとPau Brasilは、自らのレーベルであったPau Brasilレーベルの作品(北欧のミュージシャン達との共演盤多数)の録音をRainbow Studioでよく行っており、Jan Erik Kongshaugとも旧知の仲だ。正直Pau Brasilレーベル諸作品も「ブラジル×北欧」という意外性はあっても、内在する空気がうまく溶け合っていない印象だった。その違和感がこのMônica Salmasoのアルバムですべて払拭され、Pau BrasilJan Erik Kongshaugの当初の意図がMônica Salmasoという因子を得てここに完成している。例えて言うならブラジルの密林の空気と、北欧の森林の空気とが、Mônicaの息吹の中で透明な一つになったような印象だ。

Mônica SolmasoとChico Buarqueという知性美の融合
そして、
20年近くにわたって試みられたブラジル密林と北欧森林との融合美
それらを同時に味わうことの出来る、これぞ「 名盤 」。
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# by sh2o | 2007-07-27 11:58 | Brasileira

Fabiana Passoni "É Minha Vez"

a0023718_1051473.jpgMySpaceで知ったシンガーFabiana Passoniの1stアルバム"É Minha Vez"
Fabianaはミナス出身。その後NYCへと渡り、現在はLAで活動している。このアルバムにもLA在住のブラジル人ミュージシャンが参加しており、数年前に来日したKleber Jorgeの名前も。
サウンドの方もKleber JorgeのようなブラジリアンAOR的な出来。Fabianaの歌はものすごく美味いとか声がきれいというものではなく、どちらかというと特徴が無い。バックの演奏も超絶ノリノリということもなく、でしゃばることもなくという感じ。それがかえっていい感じに聴こえてしまう。何かを期待するわけでも物欲しいわけでもなく、自然と耳に入ってくる感じだ。その感覚は3曲目の"Darlin'"で顕著。ビーチボーイズのカバーでFabianaは英語で歌っている。そのネイティブでない英語がAORサウンドと相まって、すごく山下達郎的に聴こえてしまう。それが「え~」ではなく「へ~っ」すんなり受け止めてしまうのは僕が日本人だからかな?
"Change the world"のカバー"Mudar O Mundo"もなかなかいい。エレキギター(Kleber Jorgeではなくアメリカ人Dirk Freymuth)がToninho Hortaのようでミナスヴァージョンって雰囲気の仕上がり。スタンダードサンバ?"Tarde Em Itapoã"も完成度が高い。
実に掘り出し物。Cafeで、アウトドアで、自宅で。どのシチュエーションでもピッタリ。
お勧め☆美人だし…☆

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# by sh2o | 2007-07-26 00:30 | Brasileira

muza "cambio de estacion"

a0023718_15211112.jpgチリの耽美エレクトロポップMuza(=Sol Aravena)の2ndアルバム。
心の隙間からふと涙してしまった…
Muzaはチリはパタゴニア方面Coyhaique出身。それだけでも何か「そそる」ものがある。
サウンド的にはイギリスあたりのエレクトロ・ポップな感じだ。コクトー・ツインズやらヴァージニア・アシュトレイあたりをお好みの向きにはばっちり。そういうブリティッシュっていう意味合いではマイナーpンプバンドSolsticeなんかも思い出した。個人的にはDip in the poolをすぐに思い出した(甲田益也子って今なにしているのかな?)。
Muzaは英語、スペイン語で歌う。でも何語かなんてどうでもいい。それはスキャットで歌われる「Gracias」がそのすべてを物語っている。泣いちゃったよ…。透き通る高音とかイマジネイティブな声とかよくいうけど、果たしてそれって一体なんなのだろう。Muzaの声はそして音楽もはっきり言えば類型的なものだ。それで何故彼女の声は音楽はこの胸までの届くのか。それは誰かに恋するのと同じ気持ち。初めてPETEROGLYPH RECORDSのHPでMuzaの名前を見かけた時も不思議に気になったものだ。いいよこの人、惚れちゃってみたら?って感じ?(笑)。
Muzaは我が愛するFlorencia Ruizとも共演している。あ~そういえば音楽的にはアルゼンチンのEloisa Lopezに似ているな。現在3rdアルバム"Electric Bolero"を録音中。彼女のMySpaceで聞くことができるよ!
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# by sh2o | 2007-07-16 15:23 | All Frontiers
a0023718_1355457.jpgBaden Powellの息子Phileppe Baden Powellの1stアルバム。
幼少の頃より偉大な父に、そしてLuiz Avellar、Antonio Adolfoに英才教育を受け、現在はパリに活動の拠点を置いているようだ。
さてこの1stアルバムだがCarlos Malta、Hamilton de Holanda、Tiago Espirito Santoを迎えてのインストアルバム。Phileppe本人はピアノ、キーボード(フェンダーローズ)、メロディカそしてソプラノサックスも演奏。非常に充実した内容。叙情的なピアノのフレーズはLuiz AvellarやGilson Peranzzettaに、躍動するJazzFusionっぽさはCesar Camargo Mariano,やAntonio Adolfoに匹敵しているのかも。でも物足りないな~。なんというか「中庸」なのよね。もう一歩踏み込んできてくれないもどかしさがある。まぁそれがあれば速攻魔法で歴史的名盤リスト行きだ。どうもHamilton de HolandaやギターのDiego Figueiredoなどリード奏者と共演している時のほうがいい感じだ。まだまだ1作目。きっと目の覚めるオリジナルフィニッシュを聴かせてくれることだろう。

アメリカで孤軍奮闘?のAdventure Musicからのリリース!
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# by sh2o | 2007-07-14 13:54 | Brasileira
7月6日(金) 倉地久美夫@渋谷O-nest
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待ちに待った倉地久美夫の新譜『スーパーちとせ』のレコ発ライブ!
松涛温泉を横目にラブホテル街の坂を上ると、浴衣姿の娘達の姿。彼女達は倉地ファンじゃないよね???って、そりゃそうだ。隣のWESTでの七夕ライブのお客さん達。こっそり浴衣の間を通り抜けてエレベーターで6階へと上がる。こちらの入りはまだまだだ。

入場早々『スーパーちとせ』をGET!見慣れたイラストのドアップジャケット。くぅ~かっこいいぜ!とはいってもジャケ買いされる可能性は少ないか…

ステージに倉地久美夫がアコギを片手に飄々と姿を見せる。チューニング、マイクテスト。なんか変な感じ。でもってそのままなし崩しに照明が落とされてライブが始まった…
東京来てから買ったというアコギの。試奏に熱が入りすぎて思わずボディーを叩いてしまったから買ったという…。そして始まる演奏は新譜より「エチュード」。倉地の足裁きのように酔いどれ草が階段を行ったり着ているかのようなフレーズ。基本手癖なのかもしれないが、裏山の神社に詣でているようなお百度参りのような気分で徐々に爽快感が増していく。2曲目は「絵馬」。これは弾き語り。

そしてメンバー紹介。Bassは稲田誠。Drumsは外山明。稲田のベースは既にセッティングされており、ベースというよりチェロのようだ。稲田がヘルニアだ云々のMCり、「MCる」なる倉地造語(大阪でも聞いた!あれがお初?)で倉地空間に誘い込んだら始まる演奏は「太陽のお正月」。稲田の演奏がかなりアグレッシブだ。まるで網戸の隙間から叩きつける突風のようでちょっとした驚き。で、お次は名曲「観月祭」「サランラップ」と涎だらだら。いいね~「観月祭」。もう今はなくなってしまった大分のお祭りらしい。「サランラップ」での三人の演奏はかなり刺激的。倉地と外山の微妙な対決?が笑いをかみ締める轡のように厳しく硬い。

照明によってステージ後方の壁にできる三人の影が蠢いている様子は、まるで倉地のイラストのような白昼夢が沸いて出てきたかのようだ。それはまた子供のころ見た悪夢が追っかけてきたかのような懐かしい闇に包まれているような気がした。そしてまた度々見られる倉地の一本足立ち姿の美しいことこれはジェスロ・タル、王貞治と並ぶ世界三大一本足姿の美しさだ

「味噌がいっぱい」を演奏するはずが、倉地の様子がおかしい…どうやらチューニング方法を忘れてしまった?ようで「飛ばします」二部で演奏することに。しょうがなく「8mm監督」へ。そして一部は終了。

正直一部はどうも乗り切れない印象。三人の演奏がイマイチぴったり嵌っていないという感じだ。倉地の緊張に飲み込まれているのか、はたまたこの三人での演奏が少ないからか。しかし抱えた若干の不安は、ステージ上に並べられた倉地が新譜『スーパーちとせ』のために書いたイラスト(自画像がほとんど!)とスーパーちとせの盗撮写真で吹き飛ぶ。『スーパーちとせ』購入者にプレゼントとのことだが、どうなることやら…でもどれか欲しい

さてさて倉地がアコギ、エレキと水の入ったグラスを抱えてステージに登場。きっと「いへいへ自分で持ってきます~」とか何とか言ったに違いない…そしてまた何事も無かったかのようにイキナリ始まる。レコ発という柄ではないが新譜からの曲を中心に、というMCり。そして始まるは「霧の嬉野」。ステージで完全再現は不可とのことで、ギターソロアレンジでの演奏だ。これがすごくよかった。「霧」というより乳白色に包まれる「霞」という感触を覚えた。何も見えないのではなく何かが見えなく、どこから聴こえてくるかも分からない音が広がっていく。覚めない夢が倉地の影と一緒に滲み出てきたようだ。

次は『スーパーちとせ』のマスタリングをした宇波拓を招いてのタイトル曲「スーパーちとせ」。まずはトーク「マスタリングでは何が一番苦労しましたか?」との倉地の質問に「バイトを辞めたことですね」との宇波の切り替えし。「予想外の角度」からの回答に倉地むふふ。。。さてこの「スーパーちとせ」の演奏が素晴らしくよかった!二人のギター演奏が静かに始まり、倉地がスーパーちとせを語りだす。恐らくスーパーちとせのお客さん達の会話をモチーフにしたと思われるシーンに突入すると倉地ワールドは一気に加速する。倉地の「アンパン」フレーズにテープの効果音がオーバーラップしだすと、スーパーちとせがフィールド魔法として召喚されたかのような錯覚幻視幻聴。これはかなりヤ・バ・イ

倉地、稲田、外山によるトリオの演奏に戻り「鉄塔」 、「あつい日本」「鉄塔」はやはりいい曲だな。菊地成孔による泣きのサックス部分がどうなるか興味津々だったが、そんな疑問はどこかに消し飛んでしまっていた。得意のロシア民謡?「ステンカラージンの夢」。そして古武道のゆっくりした動き、歩き方を曲にしたという「ゆっくり歩く」 。そしてそして一部で失敗?した「味噌がいっぱい」!なのだが…結局解決したはずの問題が再発し「ごめんなさい」…あ~これは聴きたかったな

気を取り直しアコギに持ち帰る倉地。シールド三番。演奏は再び新譜から「アサヒ!」。この演奏がまたすごかった。スパニッシュ風カッティングを盛り込みながら豪雨のように叩きつけられる倉地のギター。外山の中腰ドラミングは倒木をさらになぎ倒して進んでいく一迅の風。稲田のベースはゴニョゴニョゴリゴリと、はだける裾をさらに押し広げようとする荒れる神社の狛犬の妄想か。これは凄まじい暴風雨だったよ!

これで第二部も終了のはずが。イラスト抽選方法のジャンケンを論じているうちに、これまたなし崩し的にアンコールへと。演奏するは「あなたの風」。さぁスタート!というところで倉地のギターにシールドが差し込まれていないいや~どこまでも倉知ワールド。何かに追いかけられるような演奏。そう自分達の影に追いかけ追い抜にかれ追い抜いていくかのような激烈な演奏だ。稲田の呻きの様な声に呼応する倉地と外山の駆け引き。そして倉知のゆっくりとした足裁きに比例するかのような美しい右手の動きから繰り出される輝く音。

あぁ
美しくもあり醜くもあり
欲して止まない あの時の白昼夢の欠片

あぁ
物寂しい 物足りない
見つけてしまった あの時の白昼夢の風景

ライブ終了後、イラスト抽選ジャンケン大会。
イラスト一枚GETできました
ぎゃおん嬉しいうっふふ~ん

ありがとうございました
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# by sh2o | 2007-07-11 11:39 | 倉地久美夫
a0023718_14373016.jpgAna Cascardoのアルバムと一緒に届いた一枚のCD。ギタリストFábio Hessの1stアルバムだ。フレット上を流れる指のジャケット。あからさまにギターアルバムとの誇張。さてさて恐る恐る聴きはじめる。
予想通りバリバリのブラジリアン・フュージョンだ。ベタなフレーズの連続。主役のFabio Hessのテレキャスギターサウンドがどこか西海岸的だ。う~んラーセン・フェイトンバンドを聴いてる気分。お、2曲目はもろにNelson Faria的。なかなかかっこいいじゃんFábio Hess!Bioを読むとやはりNelson Fariaに影響(弟子?)を受けているようだ。4曲目はアコーディオンでMarcelinho do Acordeonが参加。Hermetoバンド的な曲でなかなかの好曲。多少なかだるみを挟んでラストは師匠のNelson Fariaが登場だ!Fábioはアコギをエレキ同様に弾きまくる。結構なストレス解消。

Fábio Hessはクリチーバ出身。バルセロナの音楽学校で学んだようだ。このデビューアルバムも当初スペインでリリースされ、その後アメリカそしてブラジルという逆輸入パターン。

愛器セミアコテレキャス(7弦!)でバリバリがむばってほしい!!!

Fábio's My Space
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# by sh2o | 2007-06-17 14:40 | Brasileira
a0023718_14495528.jpg美人シンガーAna Cascardoのデビューアルバム。
Andre Mehmariが参加しているということで入手したCDだったが期待以上の思わぬ良作。
Ana Cascardoはミナス出身で現在はクリチーバで活動しているようだが、そんな彼女の履歴はPaulo Leminskiのペンによる1曲目にもろに現われている。
Chico Pinheiroっぽいスタイリッシュな演奏をバックに歯切れよく歌い上げるかと思いきや、サビの部分で突然ミルトンっぽいミナス色全開の高音スキャット。Anaの高音はすこし苦しい部分も感じるがそれを差し引いてもこのアレンジの妙は素晴らしい。そして2曲目はChico Pinheiroの曲だ。なんとChico自身に加えAndre Mehmariがフェンダーローズで参加だ!ChicoのカッティングをバックにAndre!も~最高でございます!!ちなみにベースはRodolfo Storoeter、パーカッションはGuelo、ヴィオラオンはSergio Santosだ。4曲目はSergio Santosの曲をAnaとAndreのデュオで聴かせる~これは贅沢だの~~。嬉しい!そういえばAndreはSergio Santosのアルバム"AFRICOS"に参加していたっけ。5曲目はさらにサックスにTeco Cardosoを加えてMoacir Luzの曲!すげ~贅沢なアルバム。これがインディペンデントな作品なの?Anaって何者??とまぁメンバーだけで涎がでるのだが、実はこのアルバムはこんな豪華面子ではない恐らくパーマネントメンバーの演奏による曲との2本立てなのだ。このパーマネントなメンバーによる演奏がまたいい。ピアノのFábio Cardosoの演奏はAndreの演奏に引けをとっていない。
とまぁ豪華メンバーによる華やかな演奏、パーマネントメンバーによる息のあった流れる演奏をバックにJoyceやGuingaの歌をAnaがしっかりと歌いあげていくのだが、現在の活動地であるクリチーバのミュージシャンIsso Fischerのペンによる10曲目が非常にいい。Fábio CardosoのピアノだけをバックにAnaが訥々と歌い、最後にSergio Santosの大地の緑色したボーカルが被さっていくという夢心地な曲だ。
このアルバムがインディペンデントなものだなんて信じられない。主役Anaのヴォーカルにもう一歩の特徴がないのは確かだが、これからがものすごく期待されるシンガーだ。
…間違いなく現在のMPBを代表するアルバムの1枚。

Ana's My Space
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# by sh2o | 2007-06-16 14:54 | Brasileira

Egberto Gismonti来日!

EGBERTO GISMOTI - SOLO CONCERT -

まさに夢の実現…すごい嬉しい!
彼の音楽と出会わなければ、いろいろな音楽を求め、そして出会うことはなかっただろう。

すべてを投げ出してでも行きます!!!
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# by sh2o | 2007-05-29 12:12 | Brasileira

倉地久美夫 ライブ&祭

読売新聞九州版 「表現者の現場」(2006年6月5日)
2006年5月13日に行われたライブ内容はもとより、倉地久美夫のプロフィールについて詳しく知ることができる記事内容で、とても参考になった。記事最後の倉地の言葉「異常なものを~」には、目が覚まされる思いがした。倉地久美夫の世界を本人によって明快に言い表した言葉であり、また自分が何か書く上において常に覚えておきたい言葉ともなった。


Baku's Dream
大分から「こころとからだに良い音楽」を世界へ向けて発信しているかとうけんごさんのブログ。 2007年4月29日に行われた『倉地久美夫祭』!の概要を知ることができます!
あ~なんて素晴らしい祭!そのころ倉地久美夫のことを知っていたら絶対駆けつけたのにな~残念…けんごさん、是非また企画してください!
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# by sh2o | 2007-05-17 11:39 | 倉地久美夫
a0023718_17415350.jpg倉地久美夫の1999年のアルバム。バンド演奏ではなく倉地一人による多重録音作品。これまで多重録音によるカセットテープ作品がで多数残してきたようだが、倉地久美夫の世界というものがここまで色彩豊かなジオラマのように完成されたものなのかと、正直驚いた。
外山明という「変態」ドラマーでなく倉地自身によるリズムの為か、音の触りが普通にかっこいいという大きな罠が待ち構えている。そのかっこよさは同じ九州出身である井上陽水をすぐに想起させるが、個人的にはなんとなくアルゼンチンROCKの帝王SpinettaFito Paezに似たものを感じた。とくにSpinettaとは、似通ったメロディーを「それを待ってました!」と感じさせる中毒禁断症状と、どこまで切っても本人でしかないという金太郎飴的な幻惑とに同じ臭いを覚える。それは三日はいたパンツの饐えた臭いではなく、薄汚れ破れたシャツを"伊達"と思わせる漢(おとこ)の臭いだ。
1曲目は「ファミリーワルツ」。これは"ワルツ"なのか?だとするなら、まるで階段でワルツを踊っているようだ。時折足を踏み外しては、さすりながら再び踊り直おし、いつしか倉地の裸足が階段状のキーボードの上で足踏みしているような想像。2曲目「観月祭」~3曲目「快楽マン」の流れは絶品。ここにSpinettaを思い起こさせる何かがある! 「観月祭」での「ここには何もないぞ」のフレーズはまさに倉地メロディーの代表だ。そういえば倉地初体験はこの曲だったんだっけ…。 「快楽マン」は是非ライブで聴いてみたい曲だ。サビの部分での蠢くリズムと囁くボーカルがとっても印象的。
ジャーマンロックな「富士さんの焚き火」にニヤリとした後、静寂と喧騒の合間の微妙な沈黙「朝6時」を通り過ぎ、「サランラップ」で気合充填。それで、「缶詰」にゆら~り空中浮遊の真似事をする。
「目隠しビーム」は"ラテン"なのか?と若干微妙。ちょっと薄味ホルモンかしらん。「エイ」「日陰まわり」となにやら不気味に落ち着いた終息を迎えるがそれはウソっぱち。
アルバムを聴き終えると、禁断症状を迎える前の不気味な凪が身の回りを包んでいる。それは倉地本人によるアルバムジャケットのイラストの光景にも似た空気。倉地久美夫の世界の登場人物の一人になってしまったことに気づいて笑うか、唖然と呟くか。どちらにしたって裸足か裸になって聴きなおしてみる事に変わりはない。
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# by sh2o | 2007-05-16 19:31 | 倉地久美夫
a0023718_19124967.jpgゴールデンウィークに大阪で、短い時間ではあったが倉地久美夫のソロライブを見た身にあっては、このライブ盤『太陽のお正月』はその日の時間的な物足りなさを消化する続編を聴いている気分にさせてくれた。1995年の録音であるというすでに約12年もの歳月がわかっていてもなお、その感覚は変わらない。それはすでに当時から倉地久美夫の世界が確固としてあったことの証であるだろうし、何より倉地久美夫の世界をもっと欲している渇きの証でもある。

ソロでの演奏と、菊地成孔外山明とのトリオでの演奏を収録。菊地、外山との録音は『うわさのバッファロー』『I heard the ground sing』でも聴くことができ、三人の演奏の違い、呼吸を聴き比べるのも面白いだろうが、まずは倉地にどっぷり嵌りたい。

「二刀流」
「8ミリ監督」倉地のソロ演奏でどっぷり満足。まるでスクリーントーンを使わずにペンのみで背景を描いていくような緻密でいて時に空白も厭わない抽象的なギターワークに惚れ惚れする。それと対比するような朴訥としたMCにほわ~っと微笑をうかべてしまうのが、蕎麦屋で読む四コマ漫画週刊誌のような味わいで絶妙。それは彼の声、言葉の世界についても同じくいえることだ。まぁそれは詩のボクシングを実際に見た人ならすでに承知のことだろう。

倉地の詩の世界は、おそらく実生活の断片を記憶の襞の中で回想するが故の時間と空間の二重写しかまたは絞り模様。その世界は所謂私小説であっても、古井由吉のような針の穴から見る靄がかった景色のような居心地の悪さはない。やはり漫画やフィルムのような明快な景色が広がっているのが倉地の世界の特徴だろうか。彼の詩の世界の感じ方は人それぞれだろうが、目の前に広がる景色はほぼ一定ではないだろうか。

あ~倉地久美夫を「誰?なんだろう??」と思い、釘付けになったギターそして飲み込まれるように飛び出す彼の声を咀嚼した、いや咀嚼された瞬間を忘れない。それを思い起こさせてくれる素晴らしいライブ盤。
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# by sh2o | 2007-05-15 18:59 | 倉地久美夫

David Torn "PREZENS"

a0023718_1242486.jpgあらら~David Torn(TornのHPってAndy Rinehartが作ってるの?)のアルバムがECMから…時は流れる世界も変わる心も揺れる、とはこのことなのか。Everyman Bandの録音以降よりのDavidECM=Eicherへの遺恨は溶け散ったのか。

それはともかく内容は相変わらずのTorn節全開。というよりこれしかない塊の連なり、行列。
DARK、Marty Fogel、Mick KarnTerry BozzioらとのCMPレーベルでの諸作(Polytownとか)。そしてSPLaTTeRCeLL。これらは、一貫してDavid Torn以外何者でもない世界だが、どうもアルバムによってまとまりに欠けるというか、彼の体調のなせる業なのかものすごい振幅。置いてきぼりをくらうことが多いという印象。いやTornの演奏のことを言っているわけではない。アルバムとしての完成度の話だ。
ソロ作以外で、Tornのリーダーアルバムで一枚スカっと聴き通せたのはこのPREZENSが始めてだ。実際Tornのアルバム、音楽を聴くのは久しぶりっていうこともあるけど。
まぁ確かに日ごろから交流のあるこれだけのメンバー(Tim Berne、Craig Taborn、Tom Rainey)で録音すれば、っていうことではるのだけれど、ここまでの世界が溢れちゃうとは思わなかった。なんていっていいのかTornの世界に不足していた緩急があるっていうのかな、ギクシャクしたサーキット走行ではなく、藤子不二雄の漫画『モジャ公』のアステロイドラリーの音楽だぜ!これは!!ってなんのこったか…。

いやはや。時は流れ、またTornと出会ったよ。渋谷Towerで見たTornの姿は今でも覚えている。またあの時みたいに、主役は僕じゃない、と恥ずかしげな笑顔を向けているのだろうか。今は自信を自身の心に落ち着けた鬼才のまなざしかな。PREZENS=禅以前宇宙?の導師。

しかし、Tornの写真、どこかTerje Rypdalみたいだな。。
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# by sh2o | 2007-05-13 12:51
a0023718_12221312.jpg倉地久美夫 
『うわさのバッファロー』美音堂

倉地久美夫の1996年のアルバム『rumored buffalo』のリマスター盤。

倉地久美夫ソロライブ 『I heard the ground sing』 『うわさのバッファロー』と突進中。もう尋常じゃない嵌まり込みようは、久しぶりの熱狂と魔境の冒険王気分。待ちきれん!とばかりに届いたこのアルバム『うわさのバッファロー』。なのに一聴した後は、あまりピンとこなかった。徹夜明けで方向と性能が消化不良なチェンバーロックを聴いた時のような気まずい感触~と思っていたのだが…大間違いだった!

翌日深夜、ヘッドホンを取り出して大音量で聴きなおす。目が覚めた。この深い味わいは、まるで三日目のパンツのような匂い。三日目のパンツは臭い、確かに。でもその臭さは二度三度と近づけたくなる禁断一歩手前の生暖かい不思議関係。

面子は『I heard the ground sing』と同じ。倉地は唄とギター、菊地成孔がサックス、ドラムスには外山明。一番印象が違うのが独特の詩の内容・世界だが、それは時の流れそのときの気分によって当然のことだろう。倉地の歌い方が『I heard the ground sing』と違う。『I heard the ground sing』が非常に素直に歌っているように聴こえるのに対して、この『うわさのバッファロー』ではわざとくぐもった、口ごもったような歌い方。演歌以前の歌手の声のようにも聴こえる、ちょっと古ぼけた音源から聴こえて来るようなざわつきとざらつきのある音だ。
そのざわつきとざらつきが最初はしっくりこなかったのだろう。今はそれと同じ振幅で怯える、眠る、笑う、震える、肌こする。なんだ消化不良だったのは自分の臍下三寸だった。ちょっと控えめに後ろ方で歌っているだけなんだ。ちゃんと見つめてこっちを向かせないといけないんだね。OKです!

菊地外山も自由奔放。『I heard the ground sing』では倉地菊地のダブルリードギター!という感じで倉地のギターと菊地のサックスとのコンビネーションに惚れ惚れ。しかし本作では菊地は鳴かずに自由に呟いている印象。そう菊地のサックスは、倉地のギターではなく声に対して吹いているんだ。そこはやっぱり発売当初は倉知久美夫名義ではなく、倉地・菊地・外山の三人の連名アルバムだったからだろうか。外山もポケットの中で爆竹を鳴らして歩いているかのような演奏。あっち行ってはばら撒き、こっち行っては暴発する。

「しまうまタクシー」「うわさのバッファロー」は是非ライブで聴いてみたい曲だ。鬼火のような目玉に入ってくる熱い塊を感じる。とくに「うわさのバッファロー」でのノイズから漏れ聴こえる係員の説明は、怪しいラジオを聴いているようで出色。「鉄塔」菊地のサックスが印象的。鉄塔を囲む金網をゆすり叫んでいるような音だ。怒りを飲み込む嗚咽がふいに漏らす本音。う~んこれもライブで聴きたい!前置きなしで何気に演奏されたら涙流しそう。この曲が一番好きかな…

『I heard the ground sing』と比較してしまうと、試行錯誤中というかまだまだ過渡期なのかな?という印象を持ってしまうが、それは全く必要のない断面。真正面から差し込んでしまえばいい。そうすればこのアルバムは常に何かを語りかけてくれる一枚になる。

薄っぺらいが中身の濃い岩波文庫の短編小説集みたいな作品。
もちろん分類は「その他」ではなく、「倉地久美夫」以外にはありません。
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# by sh2o | 2007-05-10 19:00 | 倉地久美夫
a0023718_15135716.jpg倉地久美夫 
『I heard the ground sing』 (美音堂

全く予期せぬ空間の扉が開く。でもそこは何処か居心地がいい。

あの日あの曲がり角に置き忘れた妄想。田舎の布団に置き去りにした夢。諧謔 、奇矯、屈折、気配、滑稽。でもそんな懐かしさだけではかび臭くてしょうがない。それは山中の不法投棄されたゴミを宝探し気分であさっているだけみたいなもの。
『I heard the ground sing』で聴くことのできる懐かしさは、記憶の襞に放り投げてあった妄想時計のゼンマイを巻き上げる。巻き上げられていくゼンマイはいつしかメビウスの輪になり、突然を予期していたかのように時を告げる。

「集え能古の島」での菊地成孔の燻るサックスと外山明のチリチリとしたシンバルが目覚ましの音のように、あの日見ていた世界にようやく着いたことを知らせる。 そう、その世界の音が今ここにあったんだ。それはすごく匂いのする音。
湿った布団から匂う、黴と体液の匂い。それはチェンバーロック、ガロ、サブカルチャーだったり。フォークロックだったり大人ぶって理解したブルーズだったり。 涙と鼻水で折れてしまいそうな自分を隠している匂い。それは自分の中で隠してしまいたい恥の部分だったり。
友人たちについた嘘、両親への裏切り、想い人への戸惑いと疑いだったり。
その頃は逃げ出したくてしょうがなかった。いや、いっそのことそこに埋もれてしまって何も感じたくなかった。そう、忘れていたのではなく、埋もれてしまって見えなくなっていただけ。
倉地のギターが傾いた脳みその土壁をボロボロと剥がしていく。
不可思議な詩、強靭な律動、吸い込む息が温かく通っていく声。
突込どころはたくさんあるが、それらを寄せ付けないくっきりとした倉地久美夫の音世界
ライブでも聴いた「30,000,000粒ダム」 。その中の歌詞「どれどれ見せてみそ」という言葉にそもそも導かれたのかもしれない。

倉地の声は大地によく響く。それが曲がり角の方向。
あの日、梅田シャングリラで、僕はようやく曲がり角を曲がった。
そして倉地久美夫の新作が七月にでるという。
曲がり角の先にある風景が今から楽しみだ。
それが、どのように見えるかはわからない。でもまずはそこに行ってみたい。
きっと台地の縁から眺める町の風が心地いいはず。
その時は自分に問う。今の気持ちを「見せてみそ」って。
でも何が釣れたのかはわからないな。未だ吊るされているのは自分だから。


久しぶりの更新。何も聴いていなかったわけではないが、妄想が浮かんでこなかった。
それが5/3@大阪の梅田シャングリラで見た見汐麻衣ふちがみとふなと
そしてこの倉地久美夫とそしてそして大好きなEttとのライブを見ることによって何かがが呼び覚まされたような気がする。
Ummmmmm!!!
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# by sh2o | 2007-05-06 21:09 | 倉地久美夫

Carlos Aguirre

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大好きなアルゼンチンのピアニストCarlos AguirreのHPを発見!

Carlosの音を彷彿とさせる、ほんわか~とした素敵なHP。

なんと新譜『CAMINOS』なんて出ていたのね!
レーベルSHAGRADA MEDRAのHPにも載っていない~!!

これは早く入手せねば!!!
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# by sh2o | 2007-02-22 18:39 | Argentina
さ~てアンコールの時間!

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さゆりさん、緑のブラウスで登場!!これが似合っているの☆
さてさて、歌うは2nd『テンカラ』から「柳の手」。久しぶりに聴いた。涙。。。

一旦あっさり退場の後、マッテマシタの2回目のアンコール!
WOW!さゆりさんは大仏、Keiさんは牛のかぶりもので登場だ。
なんじゃこりゃ?笑。
牛の被り物うぃ脱ぎ捨てるKeiさん。
お!かっくええ!!髪型、落ち武者になってる。
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さぁ、二人ともエレキギターを構え、演奏唄は「六月、七月、八月、九月(緑)」だぁ!
きゃ~これも聴けるの?う・れ・し・い・ぃ!!!
「そ~んなこと どうだって いぃんぅんじゃなぁいぃ~♪」の合唱です。みんな声小さいよ。。。
Keiさんのエレキが暴れだす。さゆりさんのギターがしっかりついて来る。おぅおぉ~素直にかっこいい。
実は開店前に並んでいるときにリハの音が漏れて聴こえてきて、その時エレキの音が聴こえてきたんだ。
いつがエレキの出番か?と思っていたらここだったのね!も~最高!!!
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さゆりさんの意外に重いリフをバックに、Keiさん弓を取り出す。
Yes!That's Jimmy Page!決まってるぜ。
Keiさん曰く「一度やってみたかった」とのこと(笑)。
ブュィイ~ンと唸るぜしなるぜ。
Keiさん、弓で会場を指す。おぉ!もしかして僕のこと指してます?な~んて嬉しかったな。
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さぁさぁさぁ!ギターバトルで今宵のレコ発の宴もお仕舞いだせぃ!
でもでもでもでも…
あ~短いもっともっと聴きたいよ。こんなに爽やかに温まる散歩のようなライブ聴いたこと無い見たこと無い。
大満足だけど、大欲求不満になってしまった。

また行かねば。

そう心に刻まれる。

愛する日本一のボーカリストのために。
土壁のような土間のたたきのような味わいのギタリストのために。


そして帰路に思う。
『無茶の茶』って本当にいいアルバムだ。
彼らの差し出す一服が、心の振幅とぴったり合う。


いつまでも続く旅の間奏、それが僕にとってのEtt。
そこで味わう無境(或いは夢境)の一服が『無茶の茶』。

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# by sh2o | 2007-02-12 12:28 | Ett
さゆりさんお色直しで第二部のスタート!いいな~どうなってるんだろうこの服。むふふ。
KeiさんのIggy PopのRock-赤Tは当然そのままです…。そういえば前も着てましたね。。

a0023718_1218246.jpg第二部は「誰」でスタート。この曲大好き。3rdアルバム『無茶の茶』を代表する曲じゃないかな。間奏部分から後半が実に味わい深く夢見心地。安眠枕で賽の河原をドライブしている感じだ。

「七人の侍ごっこ」(大笑)を導入にして?「ある店主の唄」。この曲は喫茶アミーゴのさぼりマスターだったKeiさんを歌った唄とのこと。さゆりワールドのほんの一部が全開された曲。素晴らしい。この曲がライブで聴けるなんて幸せ。こういう日常串刺しアワンギャルドさもEttの魅力だもんね。どう曲が終わるのか、さゆりさんとKeiさんの駆け引き?が面白かった。

さゆりワールドの後は青柳努ワールドへようこそ!な2曲。「おいおい」「おいおいおいおい」な掛け声がいいね。笑って唄って楽しい、これはライブで聴かなきゃ!な曲。
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Ettって西本さゆりな世界を、Keiが無銭or無線旅行している感じかな~なんって思ったりして。

さぁ~そして「楽しや汽車の旅」!この曲をライブで聴くのがまさに「楽しや~」だった!やっぱりコール&レスポンスなのね~。もっと盛り上りたかったな…。駅アナウンスも再現!駅名が「TOKUZO」になっている!!これあっちこっちの会場で駅名が変わるんだろうな。、楽しそう。赤系照明と紅白幕をバックに映えるさゆりさんの白いブラウスとピアニカ。かっこよし~!これは座って聴いていたのじゃもったいなかった。
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盛り上った後の下り方面行き。さゆりさんの好きな越路吹雪の「Try to Remember」。これがよかった!あ~もっとさゆりさんに愛の歌を唄ってほしいな。平凡でも異常でも異性でも異星の愛でもいいです。胸にお腹に組まれたさゆりさんの手にグっときちゃう。会場では涙ぐむ嗚咽が聞こえたような聞こえなかったような。

「Try to Remember」に続いて更にしんみりと「最後の唄」。スローな曲でのさゆりさんの声ってどんどん太く強くはっきり繊細に、遠くの海鳴りの様なそれでいてかすかな鳥の声の様な、そんな声になっていっているような気がする。

a0023718_12211352.jpgそして第二部の〆は「山のてっぺん」!
山のてっぺんのドッペルゲンガーのごとく、さゆるさんの十字架飛翔ポーズで終了!!これがかっこよくて病み付きになるのです!!!

いや~いい、本当にいい。
『無茶の茶』に滲み出している雰囲気、
のんびり ゆっくり
しんみり ほのぼの 
心地よくて楽しくて
でもどこかで隙間風が身にしみる。
そんな風景がステージから溢れ出してくる。

さぁさぁ!次はアンコールだよ!!!
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# by sh2o | 2007-02-12 12:21 | Ett
a0023718_1182572.jpg2/5@TOKUZO
Ett『無茶の茶』レコ発ライブ!


並んだ。久しぶりに。

Ett 2ndレコ発ライブがものすごい混雑だったので、ちょっと心配だったせいもある。それでも、こんなに間近で見たい聴きたいと思ったのは、モーションブルーへAndre Mehmariを聴きに行って以来の事だろうか。しかし一番に入場とは些か恥ずかしい。当然、さゆりちゃんの目の前に陣取った。これも些か恥ずかしいが思い切って実行!Keiさんにもさゆりさんにも「早いですね…」と声を掛けられる(笑)。

さてさて、舞台前には「ようこそ」の文字(喫茶アミーゴMさん書?)。いつもどおりにKeiさんが何気~に登場。そしてさゆりさんも!おぉ!!パンツルック。いつもと感じが違う。「ようこそ」の文字をめくり「第一部」へ。

いきなり「歯磨きの唄」からレコ発ライブがスタート!え~いきなり「歯磨きの唄」から始めるの?とすごく意外な選曲。客席も戸惑っている感じだった?でもやっぱり面白い曲。さゆりさん自分の喉も客席の反応も「試している」って感じだ。フゥガフゥガプゥガプゥガとピアニカが楽しい。
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お洒落orお茶麗Girlさゆりの秘密が明かされた後、「維摩の一黙」。この曲、最初はあまり好きじゃなかったのだけれども、ライブで聴くとすごくいい。Keiさんのヴォーカルとギターがすんごく曲そのものという具合にマッチしているから。この曲でのKeiさんの左手がとくにかっこいい。

「ほちほちと歩く」でさゆりさんの声も調子でてきたかな。震える感じが無くなって、すっきりと声に張りが出てきた感じ。

井上ひさしの詩による曲「なのだソング」の後「柿の実」。この曲はEttの名曲。透明な寂しさがガラス玉のように暖かい光をうっすらと浮かべている、そんな印象の曲。

そして「雨男」。この曲は2ndのレコ発ライブでのさゆりさんのピアノによる演奏が素晴らしすぎて…でも今回のライブでのあっさりバージョンでも、その大空から落ちてくる一滴の雫のような凝縮された美しさは変わらない。

おセンチな中年向け?の「さよなら小径」に涙。そして「空っぽの朝一番」で第一部の終了。「空っぽ」もいい曲だな。『無茶の茶』は本当にいい曲、楽しい演奏ばかり。それがライブでも!との幸せ実感な第一部だった。
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# by sh2o | 2007-02-12 10:39 | Ett

Ett 『無茶の茶』

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Ettの新譜『無茶の茶』のCDをいち早く聴かせていただいたが、これが実に楽しい60分!前作『テンカラ』が一枚のアルバム・作品として練り上げられたものなら、『無茶の茶』は二人の日常を、禅画のように水墨画のようにシンプルに、或いは道端の落書のような。そんな行きずりの生命感と微笑を探すような楽しさ満載。禅寺坊主が首振りベリーダンスで尼僧と鬼ごっこ!?

叙情と旅情と日常とが溶け合っているような「表Ett」的な曲。例えば「空っぽの朝一番」「維摩の一黙」「草枕」
1/24のライブでこれらの「表Ett」の曲たちを聴いた。Keiの土壁のようなあっさり零れる土くれと、しなり跳ね返り折れる竹のように、確かに痕跡を残すギター。夢で聴いた風の音、鳥の声、生活の喧騒が正夢になってそこにあるような独特の存在感の西本さゆりの声。それはもう誰もいない日本家屋の庭に佇んでいるような不思議な居心地のよさ。

愛情と無常と非日常がかすんでいるような「裏Ett」な曲。例えば「ある店主の唄」「ムーディー・ストゥーディオ」「無頼の免許書」。これらが実にいい。日常に染み出す悪意や悪戯や悪寒を隠すわけも無く、快食快眠快便快楽を自由にするわけでもない。本当に自然なんだ。それに「六月、七月、八月、九月(緑)」のやっちゃった中近東風味が絶妙にクレイジーブルージー!(AREAの曲の続編なの?笑)

それらが混沌するわけでも、陳列されているわけでもない。
そして「表Ett」と「裏Ett」の狭間にある「楽しや汽車の旅」「歯磨きの唄」で諧謔の階段を逆上がり。
さらに名曲「雨男」。これは、さゆり子守唄バージョンか。ミニアルバム収録の「雨男」のほうが実に色気たっぷりだ。多分ミニアルバムのほうは本当に雨の日に録音したのだろう。

Ettは、「俳句PoPs」と呼ばれたりするが、それはただ単に響き美しい日本語で歌っている、ということだけでなく、聴くたびに同じ言葉と同じメロディーでもその日の天気や気分によって表情がその都度違って聴こえるから。
『無茶の茶』は、そんなEttの俳句PoPsの新たなる境地、或いは到達点から見下ろす新たなる光景といえるだろう。三徳山三仏寺のお堂からみる景色に似ている気がする。


素っ気無さは、素っ頓狂さ
さりげなさは、頼りなげ
吠えるか 微笑むかは 
ほら吹きの 方向次第


初回プレスは茶袋パッケージの特殊仕様。
みんなこれで楽しもう!
2/5(月)発売!!!
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# by sh2o | 2007-01-27 09:40 | Ett