Musica Argentina Brasileira All Frontiers


by sh2o
NUUさんを聴くのは本当に初めて。 どんな声、どんな音楽なんだろうと興味津々。。。
a0023718_1151079.jpg


正直、前半は僕の好きな音楽、声では無いと思った。 笹子重治さんの、Keiさんとは全く違った、まるで伊勢神宮でみた巨木のような存在感のある音塊に圧倒されていた。NUUさん完全に負けてるよって。ちょっと笹子さんのギターとは合わないのでは?そんな風に感じた。

でも後半。
美空ひばりについてのMCから始まった曲「うためうた(唄女唄)」NUUさんの本当の魅力を感じた。悲しくて寂しくて嬉しくて泣きそうで微笑むNUU。都会的なHAPPY LIFE、High EmotionalじゃないNUU。そして「あかり」「123456789十」も楽しかった。

「うためうた」という曲に出会えたこと。 本当に素晴らしい出会いだった。

そして、大円団。
Ett NUUによる1曲。エノケンの「洒落男」! ここでも、さゆりさん、やっぱり最高~。
a0023718_11522551.jpg
a0023718_11525290.jpg


さゆりさんの声は、手ぬぐいをしぼる時の感触。
温かさと冷たさ
手の力と水の柔らかさ。
大好きです。
a0023718_1155577.jpg
a0023718_11552023.jpg

[PR]
# by sh2o | 2007-01-26 11:16 | Ett
Ettのライブは久しぶり。
発売前新譜『無茶の茶』を一足先に聴かせていただいており、また2/5のレコ発ライブも控えていることから、今日のライブは絶好の予習とばかりに、否が応でも期待で胸が高鳴る。TOKUZOの入り口でKeiさんに会っただけで嬉しくなった。

季節メニューのアボカド料理がなかったのが悲しかったが、海老とアンチョビのクリームパスタが美味かったのでよしとする。
7時過ぎには椅子席はほぼ満席。となりのテーブルではワイン2本目ものみ干す勢い…。Keiさんが幕間からちらちらと様子を伺うのが見える。そうこうしていると、Keiさんがステージにふらっと現れ、さゆりさんがひょこっと立ち止まっている。そして始まったEttのライブ。
a0023718_11465996.jpg

草枕
ヤマのてっぺん
維摩の一黙
ほちほちと歩く
柿の実
空っぽの朝一番
最後の唄
(曲順忘れた…)
そして「風に吹かれて」の日本語詩カバー。
a0023718_11474650.jpg


Keiさんのギターがいい。
湿った土。乾いた土。温かい土。土煙。土くれ。 そう、土くれという感じだ。土塀の土。これもそう。 自然とそこにあり、舐めてみても美味いかも。そんな音。
a0023718_11483040.jpg


さゆりさん、やっぱりいい。
僕が日本で一番好きな声。ありそうでないようで、ないようで側にいる、そんな声。
いいな~大好き。
a0023718_11491853.jpg


「柿の実」 「空っぽの朝一番」「最後の唄」。よかったな。さゆりさんの声が、すっぱくて、からくて、甘くて、しょっぱくて。伸びる声が空に届くと ひっくりかえって地面からいたずらっぽく下半身を抓る。そんな笑いと色気と満点星の風来坊。
「維摩の一黙」でのKeiさんの歌も素敵だ。土くれに染み込む水のように、黒く黒々と、茶に染み染みと。吸い込まれて指先からまた零れていく土くれ。

表Ett」とでもいうべき、旅情たっぷりの日常あふれる、永くて短いひと時の歌。万感満喫。でも愛情無常狭間にある非日常な「裏Ett」な曲が聴けなかった。それは2/5のお楽しみかしら?

Ettは日本の宝だよ!
早く2/5がこないかな!!
a0023718_12103171.jpg

[PR]
# by sh2o | 2007-01-26 10:45 | Ett

Sergio Verdinelli "PRIMO"

a0023718_16282214.jpgRodrigo Domínguezのアルバム 『TONAL』でJim Black真っ青の壮絶なドラムを聴かせてくれたSergio Verdinelliの1stアルバム。変形ジャケ&写真集付という凝った体裁。それだけ内容に自信ありということ。
Sergioは元IKVのメンバー。IKV脱退後Pepi Taveira に師事しJAZZを学んだという経歴。通常のJAZZドラミングなんて感じは微塵も無く、1曲目などJuan Pablo Arredondoのギターのバックで、切れ味鋭い中華包丁でクチャクチャに微塵切りを繰り返しているような演奏。周回遅れに見えて実は皆を追い越そうとしている瞬間の胸が詰まるようなスピード感が独特。とくにシンバルワークは変幻自在。眩暈と悶絶を繰り返すタイム感覚。ベースはMariano Otero。SergioとMarianoの演奏はJim BlackとMark Dresserの演奏を聴いているみたい。Rodrigoも勿論ゲスト参加。

SergioはSpinettaの新作『PAN』にも参加。そちらも必聴!
[PR]
# by sh2o | 2007-01-07 16:28 | Argentina

Musica de 2006

a0023718_12194112.jpg
a0023718_12201458.jpg

まずは2枚。

Florencia Ruiz 『FOGON』 
André Mehmari/Ná Ozzetti 『PIANO E VOZ』(DVD+CD)


この2枚は冷静な判断できません。。。

そして2006年によく聴いたアルバム、
そしてこれからも聴きつづけるだろう音楽たち。
・Sebastián Macchi/Claudio Bolzani/Fernando Silva
 『LUZ DE AGUA - Poemas de Juan L.Ortiz Canciones』
・Fernando Lerman/Ludmila Fernandez
 『Oliverio Girondo, para que siga dando vueltas』
・Fernando Kabusacki 『7/8 The Flower + The Radio』
・Andres Ruiz 『AMULETO』
・Georgina Hassan 『PRIMERA LUNA』
・Maria y Cosecha 『ESENCIA』
・Silvia Iriondo 『OJOS NEGROS』
・Aca Seca Trio 『AVENIDO』
・Sérgio & Odair Assad and their Family
 『A Brazilian Songbook Live in Brussels』
・GAIA CUATRO 『UDIN』
・Interoceanico 3 『CONFLUENCIA』
・Edmar Castaneda 『Cuatro de Colores』
・Sara Serpa Quintet
・Enzo Favata 『No Man's Land』
・La Chimera 『Tonos y Tonadas』


旧譜再発。
Quique Sinesiの伝説のグループALFOMBRA MAGICA
これは嬉しかった。1曲目のかっこよさといったらない!!

2006年は、これといったアルバムが無かったような印象だったが、振り返っれば結構あったなぁという感じ。それでも年末ラッシュが大きかったかな。

2007年は、もっともっと驚くような音楽にめぐり合いたいなぁ。
贅沢かしらん?笑
[PR]
# by sh2o | 2006-12-31 12:16 | All Frontiers

Franca Masu "AQUAMARE"

a0023718_17202289.jpgサルデーニャ島の西アルゲーロ。イタリアでもスペインでもない、カタルーニャ(カターニャ、カタラン)語が伝えられる場所。Franca Masuはそこより生まれた地中海の宝石。

始まりはEnzo FavataのグループのギタリストMarcello Peghinの参加だ(ベースのSalvatore Maltanaも参加)。しかし聴いてみてそんなきっかけは何処かに飛んでしまう。ブラジルのNa Ozzettiのような、アルゼンチンのSilvia Iriondoのような、大地のようなエロチズムを感じるが、Francaのそれは入り江のように穏やかで寂しくて横たわる恋慕。絶品の3rdアルバム『AQUAMARE』

演奏の核はEleda Leddaの片腕でもあるマンドリンのMauro Palmas。切れ切れの思いの漂う風のような音。島影の冷たい水。熱くて冷たい。そんなFrancaの声にぴったりだ。Marcelloは曲も提供し充分に存在感を示している。これからもっと女性歌手のサポート、プロデュースなどで頭角を現しそうな予感がする。サックスのGavino Murgiaがいい。Gavinoもサルデーニャ出身のサックス奏者でRabih Abou Khalilの新譜への参加やMichel Godardとも活動しているようだ。Enzoに続く逸材だ。

Enzoの新譜では充分に聴けなかったサルデーニャ或いは地中海風味を堪能しながら、新しい才能に触れ、新しい美に虜になる珠玉の1枚。
[PR]
# by sh2o | 2006-12-24 17:20 | All Frontiers

Enzo Favata "No Man's Land"

a0023718_14144286.jpg島から街へ。

サルデーニャのサックス奏者Enzo Favataの2005年リリースの最新譜『No Man’s Land』
2004年リリースの2枚組アルバム『CROSSING』が今までの活動の集大成的なベストアルバムだったので今後の展開が気になるところだったが、不覚にもこの『No Man’s Land』の発売を見逃していた!そういえば『CROSSING』の中の名曲名演奏"Patagonia Express"には『No Man’s Land』からの選曲と記載されているので、その時にはもうこのアルバムは完成していたのだろう。

『No Man’s Land』はイタリアのJAZZレーベルSPLASCHからのリリース。そして1曲目は"Patagonia Express"だ。この夢見るような展開はなんなのだろう。サルデーニャから足を踏み出し世界を巡る列車。これはEnzo Favata達の新しい旅立ちのテーマソングなのだろう。やはりMarcello Paghinのエレキギター、それに纏いつく星の輝きのようなDaniele di Bonaventuraのピアノの美しさ。冴えている。この二人はパーカッションのAlfredo LavianoらとBand’Unionというプトジェクトをやているよなので気が合うのだろう。2曲目はPeghinの曲"DUE + DUE"。これがまたPeghinのエレキギターをフューチャーしたFree&Impro系の香りのするJAZZ。今までの「サルデーニャ」という括りでのEnzo Favataのアルバムの中には無かったタイプの曲だ。レーベルがJAZZレーベルであるSPLASCHということもあるだろうが、この辺が新しいEnzo Favataの真骨頂なのだろうか。どうもなかなか馴染めない。Peghinのペンによる曲というのも意外だ。ちなみにPeghinはこのアルバム全曲でエレキ・ギターを弾いておりいつもの10弦アコギは無しだ。4曲目の”The Edge”もそんなタイプの曲。ACTレーベルあたりのワールドJAZZのドシャメシャ感に相通ずるものがある。5曲目は『CROSSING』にも参加していたクロアチア出身のJazzFusionギタリストElvis Stanicの曲だ。

「サルデーニャ」という音楽に限界を感じたのか飽きたのか、それはわからない。確かに長く活動を続けていれば、しかも同じメンバーで長く、となればおのずとそこにはマンネリやワンパターンは生まれてくる。実際Enzo達もそうだった。今回のアプローチはその流れの中から生まれてきたものなのだろう。それを証言するかのように、今までの公式サイトであったVoyage en Sardaigneは更新されておらず、Jana Projectのサイトが新たに立ち上げられている。そこには「music in sardina」と一緒に「world jazz」「tradition in translation」の言葉が並んでいる。確かにMarcello Peghinのエレキは真骨頂であり魅力的。Daniele di Bnaventuraのピアノは一番生き生きと輝いている。しかし肝心のリーダーであるEnzo Favataのサックスはどうなのだろう?どうもあまり目立たず凡庸な大海に沈んでいるように思われてならない。Peghinの手によるサルデーニャテイストの感じられる曲"Elegiaco"でのEnzoが一番魅力的だ。いずれにしても初っ端の"Pataginia Express"と締めの"Second Song"により、このアルバムの印象派素晴らしものになっている。Marcelloのエレキギターにも満足だ。それでもマンネリでもワンパターンでもいいからEnzoのいつものサルデーニャ節をもっと堪能したかった。

新たな旅に出たEnzo達。その出発に心から祝福を送るし、その行き先から届けられる音楽を楽しみにしている。でも、遠慮することないよEnzo。いつでも帰ってきて僕たちに聴かせてくれていいよ。
[PR]
# by sh2o | 2006-12-24 14:15 | All Frontiers

Tomás Gubitsch 5

a0023718_17501841.jpgアルゼンチン出身のギタリストTomás Gubitschの新作『5』

Tomás GubitschといえばSpinettaのグループInvisibleのギタリストとしてプログレ筋には有名だろうか。その後Rodlfo Mederosのグループに加入し、1977年にPiazzollaのグループのメンバーよして渡仏。Piazzollaのグループ脱退後は、Invisibleからの盟友Osvaldo Calóと行動を共にし、フランスのレーベルIDAよりデュオ作Gubitsch-Calo『Resistiendo a la tormenta』やソロ名義作『Sonata Doméstica』、Tomás Gubitsch Trio『Contra vientos y mareas』をリリース。その後はフランスのトラッドグループMalicorneのリーダーHugues do Coursonと組んでピグミー族の音楽とBachの合体音楽『Lambarena』(その後エジプト音楽とモーツァルトの融合作『Mozart in Egypt』なんてのも有り)や子供への音楽『Song of innocence』などを発表。その合い間に自己名義の通算4作目となるバレー音楽『Sans cesse』をリリース。

この『5』は5作目となるCD&DVDの2枚組アルバムでありキンテートによるアルバムだ。

Tomásのギターソロで幕をあけるCD。ここ数作ではプロデューサー/コンポーザーの役割が主だったので「待ってました」という感触。Tomásのハンマリングの後Osvaldoのピアノと影を踏むように入ってくる。そしてJuanjo Mosaliniのバンドネオンが影に血肉を与えるようにメロディを奏でる。Sébastien CouranjouのヴァイオリンがJuanjoの後に続き感情を備えていく。2曲目まではPablo Ziegler達の演奏のようなピアソラ以後の典型的な印象だがJuanjoのバンドネオンの色彩が鮮烈というか輝いて感じられる出色。4曲目からは徐々にTomás節全開か。Tomásのギターがプログレ魂?を取り戻していく。5曲目など「これはタンゴを演奏するクリムゾン?はたまたYES??」という印象を所々に感じられる個所を散りばめながらOswaldoのピアノは「俺達は俺達」という美麗なピアノで意識を取り戻させる。7曲目は疑うことなくTomásとOswaldoの世界から始まりを告げるとJuanjoの無限の色彩をもつかのようなバンドネオンとRenaud Garcia-Fos似のÉric Chalanのベースが世界に灯りを点す。これは素晴らしい曲。

さてさてCDもいいのだがDVDは更に素晴らしい。ライブとTomásのインタビュー(メイキング?)が収録されている。ライブは2005年8月16日にブエノスアイレスで行われたのもので、Tomásのなんと渡仏以来28年ぶりの凱旋帰国ライブだ。Tomásの興奮と緊張が他のメンバーにも乗りつっているかのようで取り分けJuanjoが硬い。それにしてもTomásの変貌ぶりとそれに対比するようなOswaldoのダンディぶりに驚く!2曲目の”Tango para Mr.Spock”が嬉しい選曲。Tomásのブラックレスポールが唸る~。そっかTomásってMr.Spockに似ている…。しかしこのDVDでの一番の見所はインタビューの間に挟まれるフランス・ナンシーでのライブの演奏だ。これがなんとも素晴らしい。2006年のライブであり、本編のブエノスアイレスでのライブ演奏よりも数段いい。より昇華熟成された冷静さと白熱ぶりのもたらす素晴らしい演奏。それが、ちょっぴ残念…。

Oswaldo、Juanjo、Sebastianは『オルタナティブ・ピアソラ』で来日しており、今度はTomás Gubitsch 5で是非来日を熱望!!!
[PR]
# by sh2o | 2006-12-17 17:48 | Argentina

ここここれは!

a0023718_12104680.jpg
a0023718_12112450.jpg
Mono Fontana 『CRIBAS』 ついにでたか~!

THE KABUSACKI JÁUREGUI COLLECTION (DVD)
おお~~~!新年のライブで発売しているかな?
[PR]
# by sh2o | 2006-12-17 12:11 | Argentina
a0023718_19314556.jpgそれはGismontiのKarateみたいな無茶苦茶なスピード感。隣にいる人間の頭を引っぱたきたくなるくらいの爽快感&スピード感。笑顔なしには息苦しくて窒息しそうだ。もちろん快感にむせび泣いているから。輪郭のはっきりした演奏が現代的。誰もが一度聴いたらHamilton de Holandaの名前を忘れることはないだろう。

驚異のバンドリン奏者Hamilton de Holanda。彼のQuintetによる1stアルバムが本作だ。アメリカにあるブラジルインスト音楽レーベルAdventure Musicからのリリース。初っ端からフルスロットル?いやいやまだまだ止まらない!走るだけでは満足行かずに空へと飛び出していく。Marcio Bahiaの強靭なリズムにのってHamiltonのバンドリンが翔け回る。Gabriel Grossiのハーモニカが息継ぎのように緩急を整えながらも、演奏の中にまた違う空間を広げていく。最終曲”Hermeto is playing”では全員憑り付かれています!息を荒らげながらも指はまたPlayボタンを押す。こっちも憑りつかれたよ!Hamilton!!

Jovino Santos Netoらと親交のあるマンドリン奏者Mike Marshalとのデュオライブアルバム(映像あり!)も同時に出ておりそちらも…すごそう…怖くて2枚同時には手が出なかった…笑
[PR]
# by sh2o | 2006-12-10 22:25 | Brasileira

Silvia Iriondo "OJOS NEGROS"

a0023718_1765862.jpg素晴らしい。

フォルクローレシンガーSilvia Iriondoの新作は、ますますスケール感を増すというよりも、広く透明に澄んでいくような印象。そう、前作『Tierra que anda』がGismontiのレーベルCarmoからリリースされたのはGismontiがただ単に惚れたからというわけではない。この透明感が似たような印象をもっているからだろう。余談だがCarlos Aguirreのアルバムが今やブラジルのECMとも呼ばれるNucleo Contemporaneoからリリースされているのも偶然ではないだろう。純粋なフォルクローレファンにとっては、この透明感は嫌味なものに感じられるかもしれない。でもそれはつんと済ましたものでも無ければ、とって付け加えたかのような白々しく漂うものでもない。Silviaから今生きている僕たちに届けられる体温が点った透明感。

そんなSilviaの肌を包むような温かく滋味溢れる声は変わらない。Quique SinesiとCarlos Aguirreも参加しているが、本作の透明感はピアノのSebastian Macchiにとることろが多き。そうLUZ DE AGUAという素晴らしいアルバムをリリースしたばかりの気鋭のピアニストSebastianだ。Sebastianのモダンなアレンジの中アルバムは進む。若干模範的というかもっと破天荒さがあってのいと思うが、控えめでありながら流れる水のようにその場所に無くてはならない空気を運んでくるSebastianのピアノは実に素晴らしい。Marcos Cabesazのマリンバも効果的だ。最終曲でのアンビエントな効果音の中響くSilviaの声は大地とか地球とかというよりも宇宙的な広がりと浮遊感を感じる。

実に素晴らしい。安息と澄み切った決意に漲る音楽。
[PR]
# by sh2o | 2006-12-10 21:59 | Argentina

Zera vaughan "Back to the roots"

a0023718_20263398.jpgイギリス人の父、フランス人の母との間に、チュニジアにて生を受けたZera Vaughanのアルバム『Back to the roots』。
なんといってもRandy Crawford の"Sweet Love"とSting"Fragile"の中近東風味カバーが非常に面白い!Zeraの声は微妙な土埃を帯びている。それが魅力。
現在はL.Aとパリを活動の拠点にしているらしい。
なかなか面白いよ!
[PR]
# by sh2o | 2006-12-09 20:43 | All Frontiers
a0023718_15164355.jpgFernando Lerman, Ludmila Fernandez
"Oliverio Girondo, para que siga dando vueltas"


インスト、歌物それぞれ派手ではないが良質でこだわったアルバムをリリースしてるアルゼンチンのPAIレーベル。そんなPAIレーベルにして、更に意外な一撃。そんな一枚。
Fernando LermanはPAIレーベルのオーナーでありフルート奏者。過去にピアニストAbel Rogantiniとのデュオでアルバム"ASTITOR"をPAIよりリリースしている。そんなFernandoが今回パートナーとして選んだのがヴォーカルのLudmila Fernandezだ。

Ludmilaは過去にPAIレーベルよりアルバム"Ahora es el momento - Now's the time"を出している。このアルバムはNight & DayやCaravanなどのJAZZスタンダードを歌ったアルバムであまり関心を引くものではなかった。だから今作もLudmilaか~と思い購入をしばらく躊躇していたというか注文していたことすら忘れていた。だから届いたアルバムを聴いてビックリ!「え?」と思うほど1曲目から惹きつけられる。Ludimlaの声ってこんなに素敵だったっけ?Marta Gomezみたいで好みのタイプの声!しかもビッグバンド風のJAZZホーンがリズミカルに歌い上げる。これはイイ!のは当たり前か。トランペットはJuan Cruz de UrquizaそしてRichard Nant。サックスにはFernando Lermanは勿論のことMartin Pantyerという豪華布陣。トロンボーンのMaximiliano de la Fuenteはよく知らないがこの人もなかなか!

どうやらOliverio Girondoというアルゼンチンの詩人の作品を題材にしたアルバムらしい。何かコンセプトがあるのだろうか?とりあへずそんなことがわからなくても十分に堪能できる。Ludmilaのヴォーカルは本当に素晴らしい。Gerardo Gardeliniのピアノに導かれて歌う曲はとくに素晴らしい。Fernando Lermanもサックス/フルートで勿論参加している。Abel Rogantiniやパーカッション奏者Mario Gusso、ベース奏者Alejandro Herreraも参加。

誰にでもお薦めすることのできる、正に「本物」!最高です!!
[PR]
# by sh2o | 2006-11-16 15:24 | Argentina

Interoceanico 3

a0023718_160141.jpgNYCから届いた便り。
Interoceanico 3 "CONFLUENCIA"

リーダーでありコンポーザー、ギタリストのHiroya Tsukamoto。ベースはMoto Fukushima。ドラムスはMarta Gomezとの活動でもお馴染みのFranco Pinha。Interoceanicoのメンバー3人によるアルバムだ。

1曲目は2004年のInteroceancoの来日ライブでも演奏した曲だろうか。懐かしい感触を楽しみながらも、1秒1秒進むたびに彼らの音楽の魅力に吸い込まれていく。浮き出てくる音がより3人の輪郭をはっきりと感じさせる。しかし、それはただ単にInterocianicoから3人の演奏を切り抜きしたというものではない。

まずは何といってもMotoのベース。初めて彼の音を体で感じられたような気がした。上昇下降するフレーズ。連指連弾うなるベース弦。たわみ歌うメロディー。このアルバムでの大きな聴きどころの一つはMotoのベースであることは間違いない。

Hiroyaのギターは鋭いというよりも眩しくなったような気がする。それは弾いているギターや録音のせいなのかもしれない。一音一音、一フレーズ一フレーズを丁寧に大切に弾いているという印象が強かったのだが、それはもしかしたらどこかHiroya自身の何かしら不安や迷いからくるものだったのかもしれない。ここでのHiroyaはとても自由に自信をもってメロディーを奏でているように感じる。そのHiroyaの眩しさは、決して目くらみするような立ち止まらせたりするようなものではない。彼の写真のように、雲間から地平からいつの間にか顔出した陽光。希望を抱き、安らぎに抱かれる。そんな心地よい眩しさだ。

Francoのドラムもすごくいい。Marta GomezやLos Changosでも聴いたことの無いようなFrancoの別の一面。このInteroceanico3でのFrancoの演奏が一番好きだ。それは特有のリズムを生み出そうという意図や、誰かの音楽をサポートしなければいけないという使命から解き放たれているからなのか。ドラムセットの前で「何かしでかしてやろう」という悪戯じみたFrancoの笑顔が浮かんでくるようだ。

ラテンアメリカを感じさせる曲、フリーフォームな曲。いろいろなタイプ、スタイル。どれも彼らの魅力を感じることのできる素晴らしい曲だ。中でも"Lejano"、"Bicicleta"、"Seventh Night"、"South"がお気に入りだ。

日々いろいろな音楽、アルバムを聴く。聴きながらふと「これってInteroceanicoっぽいな」とInteroceanicoの音楽を常に思い描いている自分に最近気がついた。今回Hiroyaから届いたInteroceanico3のアルバム。ますます彼らの音楽を、Hiroyaのギターを好きになったのは言うまでも無い。そして彼らの音楽によって、何となく音楽を聴くことにも疲れていた気分がなくなったような、そんな気持ちにもさせてくれたような気がする。

やっぱり音楽って素晴らしいね。ありがとうHiroya、そしてInteroceanico!
[PR]
# by sh2o | 2006-11-11 16:00 | All Frontiers

Maria y Cosecha "ESENCIA" 

a0023718_2111143.jpg音楽は魔法だ。フロレンシアはそう語った。そして僕にもそう思わざるを得ない数少ない時が訪れることがある。フロレンシア、アンドレ・メーマリ、そしてこのアルバムを聴いたとき。

Maria de los Ángeles Ledesma y Cosecha de Agosto "ESENCIA"

そう感じさせる源さえもはっきりとわかる。ピアノのPablo Fraguela。この奥深く青白い煌びやかな音はいったいなんなのだろう。そして涙が出そうなところでそれを掬い取っていくアルゼンチン音楽の広大な陽気さ。Georgina Hassanのアルバムで出会ったPabloのピアノ。目立たず、でもはっきりと心に足跡を残すその音は、雨上がりの道にのこる空からの光の軌跡、夕空にしがみつく陽光の残り香。

5曲目まではPabloのピアノを、止んでしまった雨の行方、暗がりに落ちた空の行方を追うように聴き入る。そして夢は突然覚める。そうこのアルバムは6曲目でなにからもその心を剥がして目を覚まさせる。Georgina Hassanの曲"Memoria de rio"。血液から出てくるような声はあまり好きじゃない(かといってそんな血の流れが聴こえないと不満なのだが)。フォルクローレの歌い手たちや、このMaría de los Angeles Ledesmaもそういうタイプの声だ。でもこの曲でのMariaの声はブラジルの素晴らしい歌手Momoca Salmasoを想起させる。アコーディオンやパーカッションの響きなどOrquestra Popular de Camara。その後もMariaの川面を流れる風のような声は髪の毛をかきあげるように心の中でそよぐ。

パーカッションのMatías Furióの緩急強弱の見事な演奏。森の中の音、雑踏の音が聴こえる。隙間から滲んでくるようなRicardo Cánepaのコントラバスのアルコ。それらを束ねてはゆっくりと解いていくPedro Furióのギター。

惹きつけられる本、余韻すら手放さない音楽。それらに出会ったときは危険だ。その時、何かが現われ変わり消え忘れ始まる時だから。

このアルバムは何を残すだろうか。
それが何であろうと、それはきっと永遠に消えることは無く、心の一部として緩やかに留まる。
[PR]
# by sh2o | 2006-10-03 21:13 | Argentina
a0023718_20355850.jpgスウェーデン人チェロ奏者Beata Söderbergの2ndアルバム"BeSo"

ブロンドのこの美貌は正にタンゴ界のシャラポワ?そんなことはどうでもいい。とにかくカッコイイ。Beataのオリジナル曲を直球一本でぐいぐい押し込まれるような感じ。それは小気味いいJosé Luis Colzaniのドラムによるところが大きい。Beataのチェロは、艶かしい瑞瑞しさを発散させる。それはあたかもBeataと重ねるkissのよう。タイトル"kiss=BeSo"はBeata Soderbergのイニシャル。そうBeataの音楽を聴くことは、彼女とkissするかのよう。

とは言ってもまだまだ荒削り。いささか一本調子で配球が読めてしまう。このまま威力ある速球に磨きをかけるか、はたまたとんでもない変化球で勝負するか?個人的には強烈なスピンを加えた超高速ライズボールで勝負してほしい。胸が火照るほど息苦しくなるくらいのキスで舞い上がる体。それでいて瞳の奥は一歩先を読みきろうとする薄氷の輝き。

激情を操る瑞瑞しさ。それがBeata Soderberg
[PR]
# by sh2o | 2006-10-02 22:36 | Argentina

Georgina Hassan "Primera Luna"

a0023718_17442988.jpgブエノスアイレスのMarta Gomezといってもいい美声の持ち主Gerogina Hassanのデビューアルバム"Primera Luna"。
コロンビア出身でNYCで活躍するシンガーMarta Gomez自体がそう巷間で話題になる知名度ではないだろうから、この例えはどうかとも思うが、そう言いたくなる温かみのある声。しかし声の中にどこか冷たい海風のような寂しさを感じさせるところがGeorginaの個性か。
アルバム1曲目が鮮やかに目を覚まさせる。「久しぶりにいい曲を聴いた…」そんなことを思わず呟かせる。Pablo Fraguelaの繊細なピアノに導かれるケルトかポルトガルのシンガーを思い起こさせる断崖のGeorginaの美声。それはもちろんガリシア地方のトラッドであり、プログレファンには馴染みのあるシンガーUxiaの曲だからなのだが、それ以上にGeorginaの声と上昇気流を描く弦楽器の間奏が織り成す音空間は、プログレファンは絶叫間違いなしの涙の展開。爽快な驚きと感動。
その後も自作曲を交えながらメキシコ、ヴェネズエラ、チリ、ブラジルそしてアフリカの曲たち丁寧に歌うGeorgina。それを息のあった演奏が、染み込む涙のあとを綺麗にかき消すような、湧き出す涙を零れ落ちないように留まらせるような、絶妙のサポート。なるほどどうやら彼らはシンガーMaría de los Ángeles Ledesmaのバックを長年つてめている仲間たちのようだ。
蛇足だがGeorginaの父はアルゼンチンのヴォーカルグループOPUS CUATROのメンバーAlberto Hassanだ。そんな父AlbertoもKevin Johansson作の曲で娘とデュエットしている。OPUS CUATROはLito Vitaleとの共演などもあるベテランコーラスグループだ。
このCDはエンハンズドCDでプロモビデオを見ることできる。またGeorginaのblogで素敵なライブ写真を見ることができるのでそちらもどうぞ!

アルゼンチンだけでなく、Georginaの美声は世界中で受け入れられることだろう。注目!
[PR]
# by sh2o | 2006-10-01 17:45 | Argentina

Sinesi-Moguilevsky "Solo el rio"

a0023718_1552488.jpgまるで部屋に穴が開きそこにやさしさが吹き込まれているかのようだ。Marcelo Moguilevskyクラリネットの響きが体の存在を知らしめQuique Sinesiギターの奏でが心のありかを確かめる。

確かにQuiqueのギターファンにとっては物足りないところがあるかもしれない。斯く言う僕にしてももっと弾きまくり知らないQuiqueを見せ付けてくれるような演奏も期待したいところだ。でももっと耳を側立ててみよう。太い大きな木の幹と枝の佇まいのようなMarceloのクラリネットや笛の陰で、風と光のように自由に舞い駆け留まるQuiqueのギターのなんと鮮烈で清新なことか。

QuiqueMarceloのデュオにとって2枚目となるこのアルバム"Solo el rio"。 曇り空の下で聴けば青く流れる大気を感じ、青空の下で聴けば白い雲の流れ行く先を感じることができる。こういう音楽が近くにあるといい。そう心から感じさせてくれる貴重でかけがえの無い大好きな音楽。
[PR]
# by sh2o | 2006-10-01 15:58 | Argentina

Gerardo Di Giusto


a0023718_1155593.jpga0023718_11552648.jpg
9/15にライブを聴きに行ったGAIA CUATROの2ndアルバム。
ライブを聴いた後にスタジオ盤を聴くと、何となく色あせて感じてしまうことはよくあることだが、このアルバム”UDIN”についてはまったくそんなことが無かった。

ライブでも感じたことなのだが、金子飛鳥のヴァイオリンがメインであることは間違いが無い。しかし惹かれるのはGerardo Di Giustoのピアノ。GAIAのメインコンポーザーであるから当然のことかもしれないが、やはり4人の中では図抜けたポテンシャルを持っている。それはAndre Mehmariほどの一生のうち出会えるかどうかの才能とまでは言わないが、Gerardoの信じうるのものを出来るだけ受け止めたいと抱かせる何がある。

そしてその気持ちを心置きなく深く味わえるのがGerardoのピアノソロアルバム”Piano Solo”。ライブでも照明の光に吸い込まれそうな煌きを見せた曲”Tardio”、”Habanera”の旋律の美しさは、自宅録音という安らぎも手伝いソファーにしっとりと体を預けるような、愛する人を抱くような、そんな狂おしい優しさを思い起こさせる。

Gerardo Di Giusto。彼のピアノに出会えたことも、一生の宝物だ。
そしてみんなにも見つけて欲しいGeradoという珠玉の音。

[PR]
# by sh2o | 2006-09-25 11:59 | All Frontiers

GAIA CUATRO

9/15(金)。名古屋栄のJAZZ IN LOVELYへGAIA CUATROのライブを見に行く。

Gerardo Di Giusto/piano
Aska Kaneko/violin,voice
Carlos 'el tero' Buschini/bass
Tomohiro Yahiro/percussion


昨年のボトムライン、一昨年のJAZZ IN LOVELYも見に行ったが今回が一番よかった。聴衆が20人~30人とかなり寂しい。しかし、ここ数年の歩みが凝縮され実っているような、そんな充実した音塊、音魂を聴かせてくれた。すごいソリッドで高圧縮された音。それはPAの調整のせいなのかもしれないけれど、音が漂うことなく肌にビリビリと届いてくる。それは一昨年に魅了された記憶を呼び戻してくれた。
a0023718_831989.jpg
金子飛鳥のヴァイオリンは水のように緩やかな滴、迸る清流、飲み込む大河、そのすべての流れゆくことの記憶を呼び覚ます。しかしそれはGerardo Di Giustoのピアノがあってこそだ。ニヤリと照れ隠しの笑顔を見せながら、隅々まで光のに匂いを塗していくようなピアノは絶品だ。右手が華麗なクラシックのテクニック。アルゼンチンの香りを運ぶ力強い左手の旋律。弾ける時、流れ出すときの眩しさに、時が止まったかのようにハっとする。
a0023718_855320.jpg
ヤヒロトモヒロのパーカッションがブレーキを許さない。蹴られた石が、意思をもつように自由に遠くへ転がっていくように、地面を溶かすように、底に流れるGAIA CUATROの音と一緒に転がっていくことしか許さない。

バンドをしっかり支えているのはのCarlos"el tero"Buschiniベースだ。彼の視線のように見透かすようで遥か遠くの何も見えていないような。ぼんやりとした地平で緩やかに支える彼のベースは無くてはならない。
a0023718_873234.jpg
新譜『UDIN』収録の曲達が素晴らしかった。バンド名を名づけた"GAIA"、Gerardoの魅力満載の"Habanera"。墨絵の森を疾走していくような"Como Lo Veo"。金子飛鳥の曲"Waltz For Camel"の骨太の笑顔。

そして聴くたびに安心感と興奮をもたらしてくれるGerardoの名曲"Tardio"そして"Primeiro"。
そうだ。GAIA QUATROは安心感と興奮を与えてくれる。

金子のヴァイオリンにはやはりアジアを日本をどうしようもなく感じる。それだけだと胸一杯に蓋をされてしまうような息苦しさを感じてしまうのだが、Gerardoのピアノが心の表面張力を取り去ってくれるマジックを与える。ヤヒロが音響の楽しさを伝える。Carlosがピエロのような照れ隠しとか寂しさの裏返しといった奥深い感情を漂わせる。

バンドとしての強烈なまとまりを見せ付けてくれた今回のGAIA CUATRO。次回はより自由な、溶け込み解き放たれていくような、そんな涙の心地よさを待ちわびたい。

すごく素敵なライブだったよ。。
ありがとう。。。。
[PR]
# by sh2o | 2006-09-17 08:07 | All Frontiers

Carlos Cutaia

元Pescado Rabioso、元La Máquina de Hacer Pájarosのベテラン鍵盤奏者Carlos Cutaiaの最新作『Sensación Melancólica』と前作『Para la guerra del tango』。これがすんばらしいタンゴJAZZ!凡百のタンゴ風味のJAZZやフューチャー・タンゴなんか問題にしない円熟と貪欲さが見事な斬新さを生み出している。

a0023718_1212359.jpgまずは2005年のカルロス・ガルデル賞"Tango - Nuevas formas"部門の受賞作『Para la guerra del tango』。Carlosのピアノ、ドラムスにDaniel "Pipi" Piazzolla、ベースはCarlosの息子Ezequiel Cutaiaというトリオ編成に、今もっとも評判の高いタンゴシンガーLiliana Barriosが全編に渡り参加している。Carlosはスピネッタやガルシアとの活動後はシアターやフィルムの仕事がメインであったようで、そうした情景描写に秀でた完成が、単なる「試み」としての音楽製作だけに終わらない、一枚の作品としての完成度を高めている。またLilianaの力強く情念深い声が、演奏のスタイリッシュさとうまく溶け合い、絶妙の体感温(音?)度を感じさせてくれる。Carlosのピアノタッチは力まず前のめりになりすぎず、輪郭のはっきりとした潮の満ち引きを思わせる演奏。4曲目の""が特に素晴らしい。ここれのLilianaの歌とCarlosのピアノのコラボレーションは氷に注がれた炎。内に秘めたドラマチックさがいったん火のついた快感をさらに高める。

a0023718_1152774.jpgそして最新作『Sensación Melancólica』。前作同様のピアノトリオにバンドネオンAlejandro Guerschberg、ヴァイオリンLuis Roggeroを加えたキンテート編成。Liliana Barriosも数曲で参加。そしてCarlosのもう一人の息子Lucas Cutaiaも音響/プログラミングで参加している。EzequielとLucasはGordöloco TrioのドラマーRodrigo Gómezと一緒にOPEN 24というFUNKROCKPUNKユニットで活動している。このアルバムに感じるJam Band風味や最近流行のJAZZピアノトリオ的な演奏のにおいを感じるのは息子たちの影響によるものだろうか。それにしてもCarlosのピアノは変幻自在というか味わい深い。Daniel "Pipi" Piazzollaのドラムスはどこをとっても"Pipi"の演奏でその演奏はどこか押し相撲の力士のように感じる。猪突猛進華麗なる電車道かと思えば、突然目の前の視界が消え去る突き落とし。「大瀑布」って感じ~。アルバム終盤の2曲でLucas Cutaiaのエレクトロ・タンゴを意識したアレンジをバックにした、Daniel Melingoがその歌声が聴ける。そしてRichard Nantのトランペットが時の流のように儚く流れていく。小手先の「未来」なんてサヨウナラ。アニメーションや特撮ではない、靴先をかすめる未来の一瞬がはっきりと見える。
タイトル曲はCarlos自らのオーケストラのために1984年に書かれたものらしい。また他のインスト小曲はTV番組やフィルムのために書かれたもののようだ。

Carlosのような大ベテランが第一線とは言えないにしても、未だ自分の音楽を貪欲に作り上げていこうとする姿勢に感服敬愛するとともに、某国の音楽シーンに暗澹とする。
[PR]
# by sh2o | 2006-07-27 11:48 | Argentina

Roy Elder "MELTER"

a0023718_163634.jpg英ロイヤルカレッジや米Berkleeで学んだというサックス奏者Roy Elder。アルゼンチン人なのかどうなのかは不明。これまでLiliana Herreroの数作のアルバムや、サントラ盤『EL VIAJE』にその名を見つけることができる。リーダー作はこれまで2作あり、本作は1999年リリースの2ndアルバム。
Lapo GessaghiのギターとFacundo Guevaraのパーカッションのサポートを得て、クチ・レギザモンやユパンキ、ラウル・カルノータなどのフォルクローレ名曲達を演奏。Facundoは最近はひっぱりだこのパーカッション奏者。LapoはNito Mestreのバンドなどで活躍してきたギタリストだ。さらりと風に舞うようだが、どこか都会的な洗練された雰囲気。アンデスを見渡すコテージで聴いているような感覚かな。地~味なアルバムだが、このまま何も語られずにいるにはもったいない内容。ユパンキの名曲"Luna Tucmana"が泣かせる。ベタつかず、あっさり聴き流されることもない、適度な感触が絶妙。こういうのも一つの才能。
[PR]
# by sh2o | 2006-07-14 16:35 | Argentina

RUIDOLOGIA

a0023718_2051240.jpg弾きまくるギターのFico De Castro
叩きまくるドラムスのSebastian Peycere
こういうのを愛着を込めて、関東ではバカ、関西ではアホと呼ぶ。
ベルギーのチェンバーROCKバンドX-LEGGED SALLYや英国のOZRIC TENTACLESを思い起こす真面目に皮肉さたっぷり危険な笑い。。おまけに奇怪なカッコイよさもあるのだから始末に悪い。あ~そうそう、ジャイアントロボで有名なバェットヘッドのタンゴ版?そうともいえなくないが、Nels Clineのラスヴェガスタンゴの演奏をどこか思い出す瞳の奥の狂気。
ゴッサムシティが現代の南米に出現したなら、こんな立ち込める喧騒に満ちたFicoのタンゴがお似合いだ。
[PR]
# by sh2o | 2006-07-10 20:51 | Argentina